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駅前に佇むホテルは、見上げるほど高かった。
田舎のこの街も近々開発工事が行われるらしい。
駅前の開発が少しずつ進んでいくのは、上京する前から見ていた。
「とも、えっちな本とか全然隠してなかったよな」
「え、何急に」
「いや、部屋そのままとは言え、掃除とかはしててんけどさ。そういうの見つからへんかったなーって」
とものこと、無垢な子供だと思っていたけどそれはどうやら違うらしい。
ホテルの部屋に入ってからこっそり打ち明けられたこと。
曰く、ずっとタイムリミットを決めていたから、本気で好きって気づかれないように、わざととぼけていた、と。
当時の俺はまんまと騙されて、一人悶々としていたわけで。
「どっか隠してたん？」
「……別に、そういうの俺いらへんし」
耳まで真っ赤にさせてともは言う。
その続きには、“大ちゃんがいるから”、って期待してええの？
「はぁ、ほんまは最後までいこうとしたのに、大ちゃん変に律儀やったから…」
「っ、そらそうやろ！こっちがどれだけ罪悪感抱えてたか…！」
(それも興奮要素やったなんて、口が裂けても言いません。)
ごほん、とわざとらしく咳払いをして話を戻す。
変な方向に逸れて、俺に流れ弾来るのは勘弁。
「ずっと、大ちゃんだけ。好きなのも、そういうことしたいって思うのも、全部」
これで満足？と問いかける彼は、高校生の頃よりもずっと大人びていた。
・
・
深夜。
目を開くとブルーライトが眩しく光っていた。
「とも……？」
「ん、ごめん、起こした？」
隣のベッドで、ぽちぽちとスマホをいじる彼。
そっちに移ろうかと思ってやめる。
狭いホテルの部屋は、手を伸ばせば届きそうなくらい近くにともの気配を感じる。
「眠れへんの？」
「いや…新幹線のチケット。明日遅番やから、早めにこっち出なきゃ」
「…俺のこと置いていくつもりやったん？」
「そ、れは……、朝早いし迷惑かなって。でも、連絡先はちゃんと、置いていくつもりやった」
「ふーん？」
俺の追及の目から逃れるように、ともは掛け布団をずいと目元まで持っていく。
「…帰ってくるから。ちゃんと。お休みの時とか、大ちゃんに会いにこっちくるから」
「……え？」
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ナナセ(プロフ) - にんさん» にんさーん！コメントありがとうございます😭 なんとか完結まで漕ぎ着けました…(電車なのに) 最後まで読んでくださってありがとうございます♡ (2023年2月14日 11時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
にん(プロフ) - 愛しのナナセ様🌍完結おめでとうございます✨大好きなナナセさんの世界で、こちらのお話は格別でした。線路の延伸が見える終わり、胸を撫で下ろしています。よかった✨二人とも幸せになるんだよ🎊 (2023年2月14日 0時) (レス) @page22 id: 4b2b762418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年1月6日 16時
