#08 ページ8
寝た心地がしない。
それでも俺の睡眠の有無に関わらず、朝は必ず来る。
真っ暗な部屋、ソファにぎゅっと丸まるようにして寝てるとも。
なんて声かければええの？わからへん。
もっと学校で勉強頑張ってれば良かったかな。
「…とも、朝やで」
ぎゅって眉間による皺を撫でる。
綺麗に整った眉がそのまますうっと元の形に戻って、穏やかな寝息。
ほんま、朝弱いんやから。
「起きろー」
「んん…」
「遅刻するで。また自転車事故る〜って言うても知らんからな」
こくん、と頷いたあと目を開いたともはへら、と笑った。
「おはよ、大ちゃん」
それから何事もなかったように起き上がる。
「今日は目覚めええな？」
「ふふ、うん、たまにはね」
きっと俺以上によう寝れなかったことなんて、簡単にわかる。
いてて、と痛めた首を捻りながら、エプロンを手に取って。
「朝ごはん作るから、大ちゃん先に洗面所使ってて」
・
「とも、ダッシュ！遅刻する！」
「今日こそはほんまに大ちゃんが悪い、俺今日早く起きたもん」
「ごめん謝るから、ちゃんと捕まってて」
ひょこんと跳ねたともの寝癖は俺のせい。
昨日のこと、考えすぎて朝の支度が全然身に入らず。
歯磨きを10分近くしてることに気づいた時には時すでに遅し。
「動くで」
しきりに頭を押さえて寝癖を気にするともに、再度捕まるよう促して力強くペダルを踏む。
「…とも、昨日なんかあった？」
「ん？なにが？」
顔合わせたらきっと、上手く話せない。
嘘つくのと隠し事するのが下手なところって、オトン譲りよな。嫌やなぁって思いながら言葉を紡ぐ。
「いや、ソファで寝てたやん？遅くまでゲームとかしてたんかなって」
「……、」
「とも？」
「見てた、よな。俺は大ちゃんが部屋入ってこようとするの、見た」
腰のところを掴む手の力が弱まる。
「ちょ、まじでこけるで」
「やって、俺汚い…」
「何言うてんの。ともは汚くないし、とも悪くないやろ？」
変なところで頑固やから。
返ってこない返事に痺れを切らして、自転車のブレーキを踏んだ。
「…え？なんで止まるん」
「今日学校休もう」
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ナナセ(プロフ) - 7129さん» お返事遅くなってしまってすみません💦 コメントありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いくださいませ◎ (2022年10月27日 17時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ナナセさん！待ってました〜🙌読み始める前から胸がぎゅんぎゅん締め付けられてます…月水金、楽しみにしてます！！！ (2022年10月25日 22時) (レス) @page4 id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2022年10月24日 14時
