#27 ページ27
…で、よ。
「…トモ？」
「ん？」
「席空いたよ」
「うん、座ってええよ」
一人分、俺らの目の前の席が空いた。
普段ならすぐにシュウに声をかけるのに、何も言わなかったから不思議に思ったらしい。
俺のこと、シュウがまじまじと見つめているのに気づいてはいるけれど。
スパイ。
のんちゃんの言葉が頭をよぎる。
シュウの隣に腰掛けるその人から目を離すことができない。
うちの店のは既に消費したんやと思う。時間も経ってるし。
沿線の違う店のケーキの箱を抱えた彼に、どうしても昼の会話が重なる。
「…あ、アルカンシェルさんの」
「どうも」
スマートフォンから顔を上げて、彼はにっこりと笑う。
俺からの不躾な視線、気づいてなかったんやろか。
「制服とちゃうのに、ようわかりましたね」
「まぁ、何度も通ってますんで。笑 えっと…」
「神山と申します」
これ、電車の中で喋ったにカウントされるよなぁ。
家帰ったらくすぐり地獄か…。
「�霤弔任后�お子さん居はるんですね」
「あー、この子は親戚の子で。少しの間預かってるんです」
シュウ、ご挨拶して。
俺が声をかけると、こんにちは、と控えめな声。
こういう時にお行儀がええの、なんか重岡家の血って感じがするな…。(失礼)
「ほんまにスイーツ好きなんですね」
「ん？」
「そこのケーキ屋さん、俺も何度か行ったことあります」
「はしごしてるところ見られると、浮気がバレたみたいな気持ちになりますね笑」
へへ、と照れたように笑う。
俺にはやっぱり良い人にしか見えへんけど、なぁ…。
状況証拠というか、なんというか。
「うわき？」
「…あー、ごめんなさい、完全に教育上よろしくないことを…」
シュウの真っ直ぐな瞳にやられて、�霤弔気鵑呂靴匹蹐發匹蹐棒睫世垢襦�
「浮気っちゅうんは、悪いことやねん。大切な人を傷つけること」
「ふーん？」
わかったような、わかってないような。
どうかシュウが大毅の前で余計なこと言いませんように。
「やから、シュウくんも浮気、したあかんで？」
「はーい」
「良い返事や」
わしゃわしゃっとシュウの頭を撫でると、�霤弔気鵑論覆鯲�つ。
「じゃあ俺、この駅なんで」
「あ、はい。またご来店、お待ちしてます」
�霤弔気鵝▲院璽�大量購入の謎は解けないまま。
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください！笑 (2021年8月31日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年8月27日 11時
