#28 ページ28
「トモ、おしゃべりやったな」
「…はい」
「電車の中やのに!」
「…すみません」
これじゃあ、どっちが保護者でどっちが子供かわからない。
ラグの上で正座させられて、シュウの家はかかあ天下なんかなぁって。
国際電話で辛いことを言ってきた彼も、それは俺から見えた一部なだけで、ほんまは奥さんに怒られたりしながら、笑顔の絶えない暮らしていたのかもしれへん。
「こちょこちょやで」
「はい、甘んじて受け入れます」
シュウが手をわしゃわしゃと動かしながら迫ってくる。
正座のまま?それさすがにきつくない?
俺が足を崩すのとシュウの手が俺の脇腹に行き着いたのは同時。
「んははっ、やー!こしょばい!」
「電車の中でしゃべったあかん」
「はい、もう、はい…!んー、ふふっ、ふは、」
最後にぺしんとお腹を叩かれて。(サービス?)
解放されるとちょっとだけ疲れてるのがわかる。
くすぐられるのって案外体力使うんやな。
「ただいまー…?」
いつもと違う様子のリビングに、恐る恐ると言った具合で大毅が帰ってくる。
今日は直帰って言ってた。から、早いらしい。
「おかえり!」
「シュウ、何してん?ともぐったりやん」
「えぇ、くすぐっただけやで」
大毅からカバンを受け取ると、そそくさと部屋に運んでいく。
別に、大毅怒らへんから大丈夫やのに。
「年かなぁ」
「え、まじ?そんなしんどい?」
「くすぐり舐めてた」
シュウ引き取ってから、体力ついたと思ってたんやけどなぁ。
立ち上がろうとすると、大毅が覆い被さってきた。
「え?」
「え?」
「いやいや、おにーさん」
わしゃわしゃ、とさっきのトラウマな手の動き。
「一応?」
「何が一応やねん、もう…笑 ご飯作るから、シュウと遊んでて」
「……はーい」
もの言いたげな視線には気づかないふり。
大毅、かまちょやからなぁ。
「シュウ、お手伝いありがとう」
「うん!」
「お礼のこちょこちょを…」
「やだー!」
きゃっきゃ言いながら遊び始めた二人を横目に台所に移動する。
「…はぁ、」
まだ心臓バクバクしてる。
あれ、くすぐる人のする目じゃないから。
何度も見てきた大毅の大人な表情。
…きょーいく上、よろしくないなぁ。
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時