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#19 ページ19

「別れたんちゃうの?」

別れたのに庇うんや。
流星の声に乗った感情はうまく読み取れなかった。

「何で知ってるん?」
「望が…」
「……」

のんちゃん…
俺が苦い顔をしたのをバックミラー越しに見とめた流星は、慌てたように口を開く。

「ちゃうで。最近神ちゃん元気ないからどうしたんって、俺が無理やり聞き出してん」
「…そっか」

シュウが僅かに身じろぐ。
あ、起きるかも。
覗き込むと、ぽやんとした目が俺を見つめる。

「おはよ」
「んん…ここ、どこ?」
「車。もうすぐお家着くからなぁ」

髪を撫でると少し汗をかいてる。
昼寝すると汗かくよな。
タオルを取り出して軽く拭う。

「神ちゃん、ええオトンしてるやん」
「うん!」
「えぇ、なんでシュウが返事するん…笑」
「僕、トモのことたくさん見てるから」

…あ、やばい。
なんか、すごい嬉しい。
堪らなくなって、思わず抱きしめる。

「んふふー、トモ、苦しいー」











「よし、お風呂入るでー」
「はーい」

流星に無事に送り届けてもらって、夕飯を食べた。
幸いおかずのストックがあったからそれを出して、結局お風呂に入り始めたのはいつもより30分遅いくらい。
助かった。昨夜の大毅、グッジョブ。(昨日は大毅がご飯作ってくれた)

「まず体洗おっか」

もう自分で体も髪も洗えるから、これといって苦労はない。…今の段階では。
一番の鬼門は、湯船。
この年齢はやっぱりはしゃぎたいざかりやから…

「ちゃんと足の指の間も洗ってくださーい」

既に少しテンションが高めのシュウに、丁寧に洗うよう言いながら自分も身体を洗う。

「あ!シュウ!水飛ぶから頭振るなや!笑」

犬か。笑
いつも以上にふざけたいのはきっと寂しさの裏返し。
お風呂場やから、最低限の安全は確保しつつ、これは黙認するしかないなと。

「ちゃんと髪も体も洗えた?」
「うん!」
「じゃあ湯船入ろか」

すっかりシュウお気に入りとなったアヒルとともに入浴。
あー、ここまでテンション上がると今度寝かしつける時に大変やん、と気付いても時すでに遅し。

「ぅわっ!シュウ、めちゃめちゃ水鉄砲飛ぶやん!」
「すごいでしょー!」

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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時

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