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苦戦しつつもなんとか寝かしつけるのに成功。
洗濯物畳んで、洗い物せな。
“なんかあったら頼って。放っておかれへんよ。神ちゃん、頑張り屋さんやねんもん”
帰り際、流星にかけられた言葉がフラッシュバックする。
可愛くないって言ったくせに、最終的に面倒見が良いのは彼がお兄ちゃんやからか。
“それに…相手の親戚なんやろ?ほんまはあっちが仕事抜けて引き取っても良かったんちゃうん”
…そうかもしれないけど、俺が迎えに行く約束だった。
それに、大毅のこと、無責任みたいに言わなくてもええやん。今あっちは繁忙期やし…。
“肩入れしすぎたあかんで。神ちゃんの人生は神ちゃんのものやねんから”
その人生を、大毅に、全部捧げたいと思ったらあかんのかな。
・
・
・
「おはよぉ」
「…だ、いき…」
シュウの靴下を握りしめたまま、教科書通りの寝落ち。
やってしまった…。
「今日はほんまにごめんな…とも、忙しかったよな」
「いや、元はと言えば残業になった俺が悪いし、」
靴下の片割れ、と思って洗濯カゴを見ると空っぽになっていた。
俺の手元から靴下を引ったくった大毅は、何事もないように自分で持って居たらしい靴下と合わせて畳む。
「それはちゃうよ」
「……」
「出た。ともの意地っ張り」
大毅は困ったように笑う。
「あれやな、俺が謝るからこうなってまうんよな。…とも、今日はありがとう。助かった」
「…ん。大毅も仕事お疲れ」
洗い物、と思って立ち上がろうとするのを大毅が引き止める。
「何?」
「洗い物、もう終わってる」
「ほんま?ありがとう」
「うん」
「……えーっと、」
どうして離してくれないんです?
「とも。無理ならちゃんと無理って言ってほしい」
「何が?」
「今日のことも、これまでの10日間も、これからの20日間も」
真っ直ぐな目に見つめられて何も言えなくなる。
「何とかするって、どうするつもりだったん?ほんまにピンチなら、そう言ってくれへんと。俺やって頼み込めば仕事抜けれた。し、そうするべきやったと思う。俺がともを巻き込んでる形やねんから」
そっと頭に温もりを感じる。
撫でられてるとわかって避けようとしても、大毅は離してくれない。
「ちょっとずつで良いから、ちゃんと頼れるようになって。弱音吐けるようになって」
ちょっとって、俺と大毅にはもうあと20日しかないのに。
でもそれを口にしたら全部が壊れてしまう気がして。
「…善処、します」
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時