9,二日目。 ページ11
教室に入れば何やら騒ついている。どうせ、私のことだろう。顔を見ればわかる、彼らの心境など。
でもそんな事はどうでも良かった。
私が気になっていたのはただ一つ。
こちらを見つめる瞳。彼の瞳だ。
先日の少年。何故かはわからないが、こちらを見つめてくる。
不意に目があってしまう。
顔を見せないよう顔を上げるのは控えているのに。
そんな風に見つめられれば、上げてしまうじゃないか。
思えば少し不機嫌になってしまって、一人座り込むと考え出してしまう。
何故、彼は此方を見てくるのか。
不自然だった。
彼に対して何か特別な事をした覚えはない。
考えているうちにチャイムが鳴る。
朝のホームルームが始まる。しかし、頭にはその事で埋まっていて中々内容が入ってこない。
いや、正確に言えば聞く気すらも無かった。
ホームルーム中ずっと考え続け、ようやく出した答え。
バレたんだ。
そうとしか考えられない。
でも何故バレたのか。そこまではわからない。
「はぁ…」
一つ溜息をつけば、先程までざわめいていたクラスが一瞬にして静まりかえる。
その様子につくづく人間の愚かさを感じる。
何故そのようになるのか、私にはとんと理解が出来ない。
一人間の事なんてどうでもいいじゃないか。
正直、私は他の妖怪や人間の事などどうでもいい。それは側から聞けば自分重視の嫌なヤツ、だなんて思うだろう。
「……わかった」
沈黙のクラスに響き渡る私の声。
転校早々、こんな事をやるのは正直気が乗らなかった。
しかし、私は帽子を外した。
そこに何があったのか、クラスの皆が目を大きく見開く。
そして紅色に染まる教室。
響き渡るクラスメイトの声。
他の教室に聞こえているだろうか。
いずれにせよ、誰か他の人間が来る前には終わる。
教室が元の色に戻った時、私を除いて誰も目を開けている者はいなかった。
私は彼ら皆んなの記憶を改ざんしたのだった。
10,気がつけば。−トウマside−→←8,「“妖怪”って信じる?」
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ピカヒカリ(プロフ) - 妖姫海さん» お久しぶりです…!コメント、有難うございます!頑張ります!(妖姫海さんも頑張って下さい!応援してます!) (2019年5月23日 22時) (レス) id: c88429faf5 (このIDを非表示/違反報告)
妖姫海(プロフ) - やっぱりすごいですね・・・!!頑張って下さい!! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 46d529bdf6 (このIDを非表示/違反報告)
ピカヒカリ(プロフ) - コロニャンさん» ありがとうございますッ…!嬉しいです…!!今から更新してきます!! (2019年5月12日 18時) (レス) id: f74e3a9ead (このIDを非表示/違反報告)
コロニャン - 何回読んでも、おもしろい (2019年5月11日 20時) (レス) id: a0b631ee37 (このIDを非表示/違反報告)
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