転生232 ページ43
私も死柄木さんも思うところは同じのようで。
私たちはダッシュでオーバーホールさんに攻撃を仕掛ける。
あの手に触れられないようにするには、上を狙ってはダメだ。
死柄木さんの個性ではよくても、私の場合消されてしまう。
そこで私は、オーバーホールさんの足元を狙うことにした。
これなら...!!
「盾っ」
オーバーホールさんが叫ぶと、手下の人が飛び出し、オーバーホールさんを守る。
チッ、防がれたか。
私たちは深追いせず、相手と距離をとる。
仲間が来てたとはね...
トゥワイスさんは尾行されていなかったと言う。
つまり、そういう個性の人がいるってことなんだろうと死柄木さんは結論付けた。
私も同じ考えなので、口は挟まない。
オーバーホールさんは仲間と短い会話を交わす。
すべてではないが、「即効性は充分」という単語が聞こえた。
ミスターが個性を使えなかったことから考えても、あれはほぼ完成しているんだろう。
そうなると、彼らを、今、相手に回すのは危険だろう。
「死柄木さん...」
ここは一旦引きましょう。
そこまでは言わなくても、死柄木さんには伝わったようで「わかってる」と返された。
トゥワイスさんとトガさんには戦う意思があったようだが、死柄木さんが止める。
父さんはミスターを抱えながら、ことの成り行きを見守っている。
「賢明だ 手だらけ男」
オーバーホールさんの仲間の一人がそう言う。
そしてオーバーホールさんは名刺を落として、廃倉庫から出ていった。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
