転生233 ページ44
「強いですね、あの人」
私は死柄木さんに向かってそう言った。
トガさんと、トゥワイスさん、父さんはミスターの治療をするために移動をしている。
だから、ここにいるのは私と死柄木さんの二人だけだ。
「死柄木さん、少し、お伝えしたいことがあります」
その言葉には興味を示し、「話せ」と命令してくる。
こういうところは、どんなことがあってもブレないなぁ。
「ミスターが個性を使えなくなったときがあったのを覚えていますか？」
確認するように尋ねると、死柄木さんは頷いた。
「ああ コンプレスは確実に個性を使おうとしてた
だが、個性は発動しなかった」
私は肯定し、話を進める。
これはただの確認なので、サラッと流していこう。
「それは、相手が今、開発中の新しいアイテムのせいなんです
原理は調べないとわかりませんけど、少し前からこの情報が流れ始めていました」
恐らく、もうほぼ完成していると思います。
そう付け加えると、死柄木さんは考え込み出した。
そして、しばらくの間、思考を続けていると、唐突に顔をあげた。
「“個性を使えなくなる”か 興味あるな
A、俺はもう一度あいつと会おうと思う
...お前も来るか？」
この話をしたら、そう言うと思ってたけど、私も誘われるとは思ってなかった。
でもまぁ、オーバーホールさんとは私も話してみたい。
マグネさんのことでも言っておきたいことがあるし。
「死柄木さんがいいのなら
私も一緒に連れていってください」
死柄木さんはニヤリと、妖しい笑みを浮かべた。
翌日
相澤先生がインターンについてのことを話している。
簡単に言うと、「やめとけ」という意見が多かったけど、実績があればオッケーということらしい。
私は強くなるために、インターンに参加したいと思っている。
けれど、実績がある事務所ってあったかなぁ。
興味が無さすぎて、調べていない。
どうせなら、ビッグ3の皆さんが行ってる事務所で学びたいとは思うけど。
だって、ビッグ3が行くってことは、実績があるってことでしょう？
考えなくていいから楽じゃない？
そんなことをボケーッと考えていると、お茶子ちゃんが近付いてきた。
「ねえAちゃん さっきガンヘッドさんとこ聞いてみたけど、
無理だって Aちゃんはインターンやりたい人だよね？」
お茶子ちゃんの言葉に「そうだよ」と頷く。...お茶子ちゃん、聞くの早いなぁ。
それより、ガンヘッドさんのところが無理なら私はどうすればいいのでしょう？
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
