転生208 ページ19
いずがいい人だとわかったので怒られたのは無駄じゃなかった。
心の中でそんなことを思っていると、相澤先生に急かされる。
席は行きと同じそうだ。...相澤先生の隣かぁ。
気まずい訳じゃないけど、私試験の結果あんまりよくないんだよね。
なんか言われるかも知れないなぁ、なんて考えながらバスに乗り込む。
相澤先生も席に座り、バスが動き出した。
「星屋 お前はもっと自信を持て」
突然かけられた相澤先生の言葉に驚く。
えっ、私、誉められてる？
相澤先生の方を見るが、前を見ていて表情が分からない。
私は喜んでいいのだろうか？
「仮免合格はギリギリだったが、お前は要領がいい
もっと自信を持っていいと、俺は思う」
相澤先生はそう言うと、黙りこんだ。...寝てるのかな？
それよりも、「要領がいい」合理的主義者の相澤先生にそう言われるなんて...光栄だ。
眠ってしまった先生に「ありがとうございます」と伝える。
まぁ、聞こえてないとは思うけど、感謝の気持ちは大切だ。
相澤先生に誉められたんだから、自信持ってもいいのかなぁ。
...疲れたし、私も寝ようかな。
数時間後＿＿＿
「おい 星屋起きろ
残ってるのお前だけだぞ」
相澤先生の静かな怒鳴り声に起こされる。
あぁ、もう着いたのか。 てか、このやり取り前にもしたような...
あ、林間合宿の時か。
「相澤先生...すいません また起こしてもらって」
一応謝ると、「そんなことより早く降りろ」といわれた。
なんて答えたら正解だったんだろう？...答えてたら怒られるから正解とかないか。
自問自答をしながらバスを降りると、相澤先生も降りてきた。
そして、みんなの視線を集める。
「おい、全員よく聞け
今日は疲れてると思うから早く休め
明日からの新学期に備えとけよ」
気だるそうにそう言うと、相澤先生は戻っていった。
みんなは「はい!!」と返事をしてから寮の中に入っていった。
私も早く戻ろう。仕事部屋行きたい。
でも、みんなリビングにいて戻りづらい。どうしようかな...？
そう考えていると、かっちゃんが席を立った。
よし、かっちゃんの後ろについていこう。かっちゃんなら事情知ってるから仕事部屋行けるし。
ソファーから立ち上がりかっちゃんを追いかける。
私とかっちゃんの距離は約１メートル。気づかれないけど、何か言ったらわかる距離だ。
つまり何が言いたいかと言うと...
「後で表出ろ てめェの“個性”の話だ」
聞いてしまった。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
