転生226 ページ37
波動先輩の言葉からわかるように、それほど通形先輩は強いということだ。
それを聞いても、あくまで強気でいくようだ。
私、端っこで見ていたいなぁ。
めんどくさそうだし、怪我したくないし。
私がそろそろと隅に移動していると、通形先輩が皆に問いかける。
「うん いつどっから来てもいいよね
一番手は誰だ!?」
切島くんが声をあげようとしたけど、いずが遮る。
「僕......行きます！」
私の幼なじみはすごいなぁ。
切島くんは「意外な緑谷!!」と言って肩を落とす。
自分が最初に行きたかったんだろう。
どうせ、皆で一斉攻撃を仕掛けるんだからあまり関係なさそうだけど。
その間にも私は少しずつ壁際に近付いていく。
「問題児!!いいね君やっぱり元気があるなあ！」
問題児扱いされてるけど、いずは気にしないでいくみたいだ。
そして、個性を発動させる。
いずだけじゃなく、皆も個性を発動させ始めた。
いわゆる、戦闘準備ってやつだ。
「近接隊は一斉に囲んだろぜ!!」
「よっしゃ先輩そいじゃあご指導ぉー
「よろしくお願いしまーっす!!」
その言葉とともにいずが最初に飛び出す。
通形先輩は... 服を落としていた。
個性の調整が難しいからああなるそうで。
その時に響香ちゃんが顔を覆う姿を見てしまって、かわいいなぁと思った。
まぁでも、そんなこと思ってる場合じゃないんだけど。
この位置だと巻き込まれるから、もう天喰先輩のところまでダッシュしよう。
私がダッシュし始めるのとほぼ同時にいずが通形先輩に蹴りかかるけど、恐らくすり抜けている。
その後に、いろんな物＿攻撃＿が飛んでいくのが見えたけど、それもすり抜けているだろう。
その間に私は、壁に頭をつけて俯いている天喰先輩の隣にたつ。
戦況を見ると、通形先輩が響香ちゃん達遠距離攻撃持ちの生徒の後ろに回り込み、
倒して、行動不能にしているところだった。
ここまで10秒もかかっていない。個性上、私は時間の感覚が他の人よりも鋭いから、間違いない。
私が感心していると、相澤先生が皆に向かって声をかける。
「お前らいい機会だしっかりもんでもらえ
その人... 通形ミリオは俺の知る限り
最もNo.１に近い男だぞ プロも含めてな」
それを聞いた皆の顔に驚きが走る。
相澤先生がそこまで言うのは珍しい。つまり、あの人はそれほどの実力を持っているということだ。
「君は行かないの？」
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
