転生210 ページ21
仕事部屋に籠り依頼をこなしているとドアを開ける音がした。
かっちゃんが部屋を出たんだろう。
私もドアを開けて廊下に出る。
かっちゃんはエレベーターの前にいた。
名前を呼ぶと、物凄く不機嫌そうな顔で、こちらを向いた。
「ホントにA来んのかよ」
そんなに嫌そうに言われても、私は自分の意思を変えるつもりはない。
かっちゃんといずの喧嘩... 面白そうじゃん。
先生にバレたらめんどくさいけど、怒られるのは私じゃないし。
私はあくまで軽い気持ちでいく。かっちゃんといずは真剣だと思うけど。
かっちゃんの後ろについていくと、いずがちゃんと待っていた。
「えっ、Aちゃん？なんでここにいるの？」
私の姿を見つけて、いずが動揺している。
かっちゃんは私のことは気にしないスタイルでいくようだけど。
「私は、いずとかっちゃんがなにするのか気になって着いてきたんだ
相澤先生が休めって言ってたのに、何してるのかなぁと思って」
笑みを浮かべながらそう言うと、いずは「そっか...」とだけ呟いた。
そして、前にドンドン歩いていくかっちゃんの後ろを追いかける。
「かっちゃん...! どこまで行くんだよ
マズイよ こんな夜中に出歩いて...」
「Aちゃんもいるし......」といずは付け加える。
勝手に着いてきただけの私のことを気にかけてくれる心をかっちゃんは見習うべきだ。
なんてことを考えながら、かっちゃんを追いかけるいずの後ろを歩く。
かっちゃんはいずに話しかけられても、無視をするばかりで答えようとしない。
こっちの方向には何があったけ？ 寮が出来たから位置関係がわかりにくくなったんだよね。
今度、最新版雄英敷地マップを作ろう。迷うのはもう嫌だ。
雄英敷地マップを作るなら、真ん中はやっぱ校舎だよね？
先生達の寮はどこにあるのかな？それも要確認だな。
雄英敷地マップの構図を考えていると、グラウンド・βについた。
ここは...
「初めての戦闘訓練でてめェと戦って負けた場所だ」
私の思考に被せるように、かっちゃんの声が聞こえた。
「ずっと気色悪かったんだよ...」
かっちゃんがいずに対する思いを少しずつ溢していく。
私...ここで聞いていていいのかなぁ？
まぁ、今さら戻るとか言えないからここにいるんだけど。
「
どんどん どんどん...」
私といずに背を向けながら、かっちゃんは話し続ける。
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年4月1日 19時
