好敵手22 ページ23
「それじゃ、俺たちこっちだから」
「えー、ちょっと待ってェ!!もうちょっとA堪能するからァ!」
駅前まで来たところで、分かれようとした燈多さんに対して“まだ次の電車まで15分あるでしょォ”と小林さんはそらっちにくっついていた。
…アンタさっき歩きながらスマホいじってると思ったら、時刻表見てたンスか。
さすがの燈多さんも苦笑いをする。
「いやぁ、最後までごめんねー、紅亜もソラ大好きだからさ…」
仲良しなのは良いことだ。
俺が黙って頷くと、燈多さんはまた爽やか風を吹かせて笑った。…ホント、イケメンだなこの人。
「ところで黄瀬君」
「何スか?」
「君、ソラのこと好きでしょ?」
「…ふぁっ!?」
驚きすぎて変な音出た。
何で知ってんだこの人。
「うん?森山情報を紅亜が捕らえてきただけだよ」
「森山先輩…」
「まぁ、森山情報だから完璧には信じてなかったんだけどさ、本当だったね。黄瀬君よく分かったよ。ソラ見る目が無自覚に甘ったるい」
「…なっ!?」
そんなにバレバレなものなのか…
ヤバい、すっげー恥ずかしい
「俺達的にもさぁ、可愛い後輩なのね?ソラってさー、こういう恋愛方面疎いじゃん?変なの引っかけないか心配なわけ」
突然始まった話にまた、黙って頷く。
「そう?でね、黄瀬君なら良いかなーと思っちゃったんだよね」
「はぁ…え?」
「笠松が、何かあったら容赦なくヤって良いって言ってくれたし」
「そっちッスかぁあ!?」
「あはは、ジョーダン」
たぶんこの人本気だった。
「次期部長はどうだかわからないけど、俺ら三年は応援してるよ。ソラさ、“キセリョ”大好きだから、“黄瀬君”も行けるんじゃない?」
「だと良いンスけど」
「うちはその件は女子のが怖いからね。よし、紅亜そろそろ帰ろうか!」
「おー、終わったァ?」
小林さんはあっさりとそらっちを離す。
そして、共にこちらに向かってきた。
“黄瀬君よォ”と小さく呼びかけられたところで、ささやかれた。
「ウチの子泣かしたらヤってやるからねェ」
背筋が凍った。
こっわ。
「紅亜先輩どうしたんですか?」
「んー?クラスマッチ黄瀬君も頑張れよォ、って」
「そうですか!」
騙されてるッスよ、そらっち。
「それじゃ、じゃあね!」
「また明日ァ」
手を振って見送りながら思った。
あの二人、天然なふりしてとんだ曲者じゃ無いッスか。
どうやら、放送部側にも厚い壁があるようだ。
小さくため息を吐いた。
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りた。(プロフ) - ひとみさん» 一気に…!?お疲れさまでした、ありがとうございます!クラスマッチ編あともう少しで完結します…!これからもどうぞよろしくお願いします!がんばります!!! (2016年7月13日 8時) (レス) id: 60b76a6687 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ - 一気に読ませて頂きました!とても面白かったです!占いツクールにもこんな作品があるんだなぁと思いました( ˙˘˙ )応援しています! (2016年7月12日 23時) (レス) id: 5dddd6f71b (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - だおさん» ありがとうございます!黄瀬君にはちょっと格好悪く片思いをして欲しいと思いこうなった次第です。嬉しいです、励みになります!こちらこそ、これからも見守っていただけると幸いです、どうぞよろしくお願いします! (2016年6月25日 10時) (レス) id: c66c29cc58 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - 初めて見るような内容で楽しく読ませて頂きました(*^^*)これからも頑張ってください! (2016年6月25日 6時) (レス) id: d490ebbd79 (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - 桃さん» ありがとうございます!あくまで塩対応な夢主ちゃんのデレを早く書きたいなぁとただいま頑張っております!どうぞ温かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願いします! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 066dfb27bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りた。 | 作成日時:2015年12月5日 23時