好敵手21 ページ22
「黄瀬君、ホントにごめん…」
またもや蚊帳の外に出された俺は、部長さん…燈多さんに手を合わせられる。
そらっちをホールドする小林さんにも“ごめんよォ”と謝られて、未だに顔の赤いそらっちからも全力で謝られた。
放送部、謝り過ぎじゃね。
「それで、先輩方何しにいらしたんですか?」
やっと落ち着き、先輩から解放されたそらっちが聞くと、二人は思い出したように顔を見合わせてにっこりと笑った。
「可愛い後輩達が頑張ってるって聞いたから、覗きついでに差し入れ持ってきたんだよ…大したものじゃないけど」
そういや部長さんは、初めから何か持ってた気がする。
“すっかり遅くなっちゃったね”と渡された箱からはドーナツが出てきた。
「え、良いんですか!?やったぁ!ありがとうございます!」
「部活切り上げてから行ったからあんまり種類無かったんだよォ、ごめんねェー?」
「え、これ俺も貰っちゃっていいンスか?」
「もちろん!あ、でも、それ俺達二人からだけじゃないからね?」
「ありがとうございま…え?」
…え?
思わずそらっちと顔をあわせると小林さんはクスリと笑った。
「さっき、校門で会ったんだよねェ…ユキオとヨッシー」
「ユキオとヨッシー…?」
「笠松と森山だよ、黄瀬君」
「マジッスか!!?」
意外すぎてビックリした。
「アタシらが買いに行くって言ったら、二人も一緒にきてくれたってわけでェ?一緒にくれば良かったのにねェ?結局アイツらも後輩可愛いんだろうよォ…ははッ」
「ホントに…二人にも後でお礼しときなね?」
マジか…二人からもか。
何だか嬉しくなってきた。
笠松先輩には蹴られそうな気がするけど、明日お礼しよう!
「あ、それからね…クラスマッチトーナメント出たんだけど…」
食べ始まった俺たちに向かって、燈多さんがスマホを突き出してきた。
「君たちの女バスの一回戦、俺と笠松のクラスだから、頑張ってね!」
「さ、三年生…」
「ちなみに、アタシ女バス出るからァ…ユウマとユキオのクラスなんぞぶっ飛ばしておいでェ、Aと戦いたいなァ…」
「本当ですか!?頑張ります!!」
ガシッと手を握りあう先輩後輩。
「そらっち変わり身早くね!!?」
「紅亜ひどくない!!?」
俺と燈多さんのツッコミだけが体育館に響いたのだった。
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りた。(プロフ) - ひとみさん» 一気に…!?お疲れさまでした、ありがとうございます!クラスマッチ編あともう少しで完結します…!これからもどうぞよろしくお願いします!がんばります!!! (2016年7月13日 8時) (レス) id: 60b76a6687 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ - 一気に読ませて頂きました!とても面白かったです!占いツクールにもこんな作品があるんだなぁと思いました( ˙˘˙ )応援しています! (2016年7月12日 23時) (レス) id: 5dddd6f71b (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - だおさん» ありがとうございます!黄瀬君にはちょっと格好悪く片思いをして欲しいと思いこうなった次第です。嬉しいです、励みになります!こちらこそ、これからも見守っていただけると幸いです、どうぞよろしくお願いします! (2016年6月25日 10時) (レス) id: c66c29cc58 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - 初めて見るような内容で楽しく読ませて頂きました(*^^*)これからも頑張ってください! (2016年6月25日 6時) (レス) id: d490ebbd79 (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - 桃さん» ありがとうございます!あくまで塩対応な夢主ちゃんのデレを早く書きたいなぁとただいま頑張っております!どうぞ温かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願いします! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 066dfb27bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りた。 | 作成日時:2015年12月5日 23時