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好敵手15 ページ16

「それで、森山先輩は何しに来たんスか?何か用ッスか?」


俺が不満オーラ全開で尋ねれば、先輩は少し考えた後に、ニヤリと笑った。


「前々から噂のそらっちちゃんこと、Aちゃんと自主練習してるって聞いたから、見にきただけだけど?」

「やっぱりそういう理由ッスか!?」

「噂のそらっちちゃん…?」


俺が声をあげると同時に、そらっちが首を傾げた。
そして、そらっちが俺をみた。


「黄瀬、先輩方に何か言ったの?」

「!?…っと、えーっと…」


言葉に詰まった。

俺でも流石に、『そらっち可愛い!好き!』とか部室で言ってることなんて絶対言えない。
他のことなら普通にいえるけど、本気で好きな子の前でそんなこと出来るわけがない。

あー、もう!森山先輩が余計な事言うから!!

そらっちに何て説明するべきなんスかね!?
悶々と考える俺の隣で、元凶が口を開いた。


「実は、いつも部室で訳分かんないくらいそらっちちゃんの話ばっかりしててね…」

「うわぁああああ!?」

「黄瀬はどんだけAちゃん好きなの、って言うくらい…」

「森山先輩あんたもう黙っててぇええええええ!!?」


顔が赤くなるのを抑える余裕も無く叫んだ。
この人そらっちの前で何言ってんの!?


「えー、良いだろ、ホントの事だし」


よくねーよ。
本当の事だからこそたちが悪いんだよ!

そらっちどんな顔してるんだろ…


「…あの、そらっち?」

「ば、黄瀬ばっかじゃないの!?恥ずかしい…えっ、もう!!!馬鹿!!駄犬!!!!」


リンゴみたいに染まった顔で罵倒された。

『練習する!』とパタパタ走っていくそらっちの耳も真っ赤で。
それに気がついた瞬間、森山先輩への怒りも忘れて笑ってしまった。
頬がゆるんだ。顔に熱が集まる。


何あれ、なんだあれ。


あの子はいつでも可愛すぎる。
やっぱり、俺は…俺は。



「そらっち大好きッスよー!」

「なっ!?…あの、森山先輩、俺の心読んで勝手にセリフ作らないで欲しいンスけど!!?俺何も言ってねぇ!!!」

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りた。(プロフ) - ひとみさん» 一気に…!?お疲れさまでした、ありがとうございます!クラスマッチ編あともう少しで完結します…!これからもどうぞよろしくお願いします!がんばります!!! (2016年7月13日 8時) (レス) id: 60b76a6687 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ - 一気に読ませて頂きました!とても面白かったです!占いツクールにもこんな作品があるんだなぁと思いました( ˙˘˙ )応援しています! (2016年7月12日 23時) (レス) id: 5dddd6f71b (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - だおさん» ありがとうございます!黄瀬君にはちょっと格好悪く片思いをして欲しいと思いこうなった次第です。嬉しいです、励みになります!こちらこそ、これからも見守っていただけると幸いです、どうぞよろしくお願いします! (2016年6月25日 10時) (レス) id: c66c29cc58 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - 初めて見るような内容で楽しく読ませて頂きました(*^^*)これからも頑張ってください! (2016年6月25日 6時) (レス) id: d490ebbd79 (このIDを非表示/違反報告)
りた。(プロフ) - 桃さん» ありがとうございます!あくまで塩対応な夢主ちゃんのデレを早く書きたいなぁとただいま頑張っております!どうぞ温かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願いします! (2015年12月30日 14時) (レス) id: 066dfb27bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りた。 | 作成日時:2015年12月5日 23時

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