156.御方 ページ8
「それは本当でしょうか?」
丁寧な言葉づかいだが、それだけでは
場所は、宮廷のとある宮。小さな造りだが、周りの見通しがよく
帝は美髯を撫でながらにやりと笑う。食えない、そんな言葉が似合うと言えば非礼にあたるだろうか、だがそれがとてもよく似合う、決して勝てない御方なのである。
「さあてどうする?
いかにも挑発するような物言いに壬氏は、苦笑いを浮かべたくなった。しかし、そこにあるのは、誰もが
知も武も秀才の域を出ないのであれば、他の秀でたものを利用しようと。結果、壬氏は美しき後宮管理官として存在している。甘い眼差し、甘い声、男として過剰すぎるそれをいくらでも利用しようではないか。
「御心のままに」
たおやかでかつしたたかな笑みを浮かべて壬氏は、帝に礼をする。
やれるものならやってみろ、と帝は葡萄酒を口に含んで笑っているようだった。
わかっている、壬氏など所詮は子どもに過ぎない。そして帝の大きな手のひらの上であがいているに過ぎない。
なんだってやってやる。
壬氏は、無茶な帝の願いを聞き届けなくてはならなかった。それが、壬氏の仕事であり、同時に帝との賭けでもあった。
賭けに勝たなくてはならなかった。それが、壬氏が自分の道を選ぶ唯一の方法だ。他に方法はあるかもしれない、だが凡人である壬氏にはその方法が思い浮かばない。
ゆえに今の道を選んでいる。
壬氏は、
その顔に、麗しき天女の笑みを浮かべて。
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佐倉(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます…!!モチベいただきました!!т т (2月23日 22時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 最近薬屋のひとりごとハマったのでとても更新楽しみですー!頑張ってくださいー!!! (2月19日 4時) (レス) @page17 id: 4b943a174f (このIDを非表示/違反報告)
佐倉(プロフ) - マラカスさん» 教えて下さりありがとうございます。すみません。 (12月21日 18時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
マラカス(プロフ) - オリジナル作品ついてます (12月21日 15時) (レス) @page7 id: 66680d8fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐倉 | 作成日時:2023年12月21日 7時