152.憶測 ページ4
『(…儚げだが、それでいてしたたかだ)』
男を殺そうとした禿の行動はどこかおかしかった。わざわざ爺を遅く連れてきたりと、そこに
自 殺した
まるで─
『(…まるで死なないと分かっていたかのような行動だった…なんて考えすぎだろうか?)』
禿にやたら同情的な妓女。金払いのいいやり手婆。
『(疑えばいくらでも怪しく思える。憶測でものを言っちゃいけない、かあ)』
花街の本質は後宮と変わらない。花園であり鳥籠だ。皆、閉じこもった空気に毒されていく。
妓女も周りの毒を食らうことで自分も甘い毒へと変わっていくのだ。
あの妓女がどうなるかは誰にも分からない。
生き延びたどら息子が毒を飲まされたと訴えるかもしれない。
逆に娼館側が商品を台無しにされたと脅すかもしれない。
そう考えながらAは結んでいた髪をほどいた。
『(関係ない、どちらでもいいことだ。そんなことをいちいち考えては花街では生きていけない)』
大きな欠伸をしながらAは空を見上げる。
『(やっぱり小姐のとこでもらい湯しよう)』
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佐倉(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます…!!モチベいただきました!!т т (2月23日 22時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 最近薬屋のひとりごとハマったのでとても更新楽しみですー!頑張ってくださいー!!! (2月19日 4時) (レス) @page17 id: 4b943a174f (このIDを非表示/違反報告)
佐倉(プロフ) - マラカスさん» 教えて下さりありがとうございます。すみません。 (12月21日 18時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
マラカス(プロフ) - オリジナル作品ついてます (12月21日 15時) (レス) @page7 id: 66680d8fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐倉 | 作成日時:2023年12月21日 7時