164.天女 ページ16
『私にはわかりませんが、あれほど天上の笑みと美貌を持つかのかたが、そのような特殊趣味なのでしょうか?』
「そ、そんなわけないじゃない!」
「そう、そうよ」
官女たちがざわめき始める。だが、その中の一人がまだ疑いの目を向ける。
「でも、ならなんで貴方が雇われているの?」
比較的冷静な官女が言った。あの見事な胸、もとい見事な体格の官女だ。そういえば、この官女だけは、さっきから落ち着いていた気がする。一応、半歩下がって他の官女にならっていたようだが、様子をうかがっているようにも見えた。
『(まあ、そこで誤魔化せないのでしたら)』
Aは、左手を上げると袖をめくった。手首から
『(この間、火傷薬の実験したから、ぐちょぐちょなんだよな)』
育ちの良いお嬢様がたには大層気持ち悪いものであろう。
『麗しき天女のようなお方はお心まで天女なのですよ。私のようなものにも食い
さらしを巻きなおしながらAは言う。
「……行こうか」
『(ようやく終わった)』
Aは首の関節を鳴らしながら、雑巾を握りなおした。次の場所にうつって掃除を再開しようとすると、壁に頭を押さえつけたままで突っ立っている麗しき宦官を見つけた。
『何をなさっているのですか?壬氏さま』
「……なんでもない。それより、いつもからまれているのか?ああいうのに」
『大丈夫です。後宮女官よりは手数は少ないので。ところで、なんでそんな格好をしているのですか?』
あまり麗しき貴人がすべき体勢ではないと思う。現に、後ろに仕える高順は頭を抱えていた。
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佐倉(プロフ) - しずくさん» ありがとうございます…!!モチベいただきました!!т т (2月23日 22時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 最近薬屋のひとりごとハマったのでとても更新楽しみですー!頑張ってくださいー!!! (2月19日 4時) (レス) @page17 id: 4b943a174f (このIDを非表示/違反報告)
佐倉(プロフ) - マラカスさん» 教えて下さりありがとうございます。すみません。 (12月21日 18時) (レス) id: b1ac26aba9 (このIDを非表示/違反報告)
マラカス(プロフ) - オリジナル作品ついてます (12月21日 15時) (レス) @page7 id: 66680d8fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐倉 | 作成日時:2023年12月21日 7時