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カサマさんに彼氏が居ない事を聞き出せたのが満足だったのか、Aさんは俺の方を向いてグッドポーズをした。恥ずかしいから止めて。
「 彼氏、居ないんですって。サコさんに色々聞いたんですけど…… 」
「 サコさんって……嗚呼、カサマさんの友達。 」
「 そうです。それで、つい3ヵ月前に吹奏楽部の部長のエムラさんと別れたらしいです。理由は、価値観の違い。 」
「 エムラ……そんな名前も聞いた事ある様な…… 」
「 カサマさんが先にエムラさんを好きになったらしいので、振られたのがショックで未だに引き摺っているらしいです。チャンスでは? 」
え?やっぱりそう思う?俺もAさんの話聞いてて、チャンスかなって思ってた。
「 いや?別に。そんな不純な事、考えてないんで。 」
「 単細胞だと思ってたんですけど、そうでもないんですね。カサマさんの連絡先貰って来ましたけど、要ります? 」
「 要る 」と言い掛けて飲み込んだ。そんな俺の様子を見て、満足そうなAさん。
「 シャオロンさんって、結構陰キャですよね。奥手って言うか。 」
「 そりゃそうですよ、貴女とは違うんで。 」
「 私も陰キャですよ?奥手ですし。 」
「 そんな面で言われても…… 」
それから、俺がカサマさんを好きだと言うネタを握ったAさんは、度々俺を揶揄う様になった。それを適当に交わしながらも、こんな不良少女と仲良くなる事も想定していなかった為、何となく最近の学校生活で視線が此方に集まっている気がする。今迄は俺の事を認識していなかったクラスメイトも、最近は俺の名前が飛ぶ様になった。
それもそうだろう。クラスの腫れ物扱いと仲良いのだから、周りは驚く筈だ。
「 何してたんだよ、今まで。 」
適当な敬語が口から出なくなった。この時ばかりは、心の底から" シャオロン "と言う人間が出た。
「 お久し振りです、シャオロンさん。 」
今まで長かった髪の毛はすっかり黒く染まり、そして耳に開いた穴を彩る飾りはなくなった。髪の毛も短くなり、正直、あの時のAさんの様な輝きはなくなった様に思える。
別に、清楚になった訳では無い。ただ、Aさんのトゲトゲしさがなくなった気がした。
「 心配してたんです、貴女が来おへんから。 」
「 元気にしてましたよ? 」
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紗枝(プロフ) - 燐乃さん» コメント有難う御座います!嬉しいお言葉、本当に感激です。リクエスト、有難う御座います🥲 了解致しました。お時間が掛かってしまうかもしれませんが、書かせて頂きます😊 (6月8日 21時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
燐乃(プロフ) - 紗枝さんの書く夢小説、いつも楽しく読んでいます。巧妙なストーリー、綺麗な描写が大好きです。リクエストなのですが、学パロでshaさん(もしくはtnさん)にひたすら嫌われる話を見てみたいです。夢小説と言えるかわかりませんが、ご検討よろしくお願いします💞 (6月8日 20時) (レス) id: 8dc2c8aa68 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - ちびさん» ちびさん、前にもコメント下さったのに、今回もコメント有難う御座います!リクエストもとても嬉しいです😳💗 了解致しました。時間が掛かってしまうかもしれないのですが、頑張らせて頂きます☺ (6月8日 13時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - とてもストーリー、文字の使い方が繊細でだいすきです。リクエストなのですがshpで学パロ主さんの書く純愛が見てみたいです。 (6月8日 7時) (レス) @page38 id: 3cdb4a4830 (このIDを非表示/違反報告)
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