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コネシマお疲れ。今日は災難やったな。あれは俺の確認ミスでもあるから、自分を必要以上に責める必要ないから。次からはもっとコミュニケーションを取って協力していこう。だが、若いお前の事を舐めてあんなに怒鳴ってたおっさんにも問題はある。店長に相談しておいたから、それなりの対応をしてくれると思うで。此方が悪くても、向こうが一線を超えたらただの犯罪者やから、そこら辺の対応は店長に任せよう。仕事の事なら何でも聞いて。俺もまだ勉強中やから、一緒に頑張って行こう。そろそろお前も俺の担当から外れるんやから、キッチンに行ってもへこたれないように沢山教育するので宜しく。今日はゆっくり休んで。お休み。
次の待ち受けはこれにした。嬉しくて泣いた。真っ黒な心が晴れた。コネシマさんの水色のスマホケースを思い出す。どうしてか、晴天の色が似合う人だと思った。
「 あの、本当にお世話になりました。入ってからずっと、私の面倒を見て下さったコネシマさんには、感謝してもし切れません。物覚えが悪くて、沢山迷惑を掛けてしまったし、私のミスもカバーして下って本当に有難う御座いました。コネシマさんに教えて貰った事を忘れずに、明日からキッチンで頑張ろうと思います。本当に、有難う御座いました。 」
結局、コネシマさんの事は知れないままで終わった。本当はもっと、コネシマさんと居たい。だけど、私も成長しなきゃ。空を飛ばなきゃ。巣の中に居ても成長出来ない。
「 お別れみたいやな。普通に会うんやし、そこ迄する必要ないやろ。 」
「 でも、もう、色々と教えては貰えなくなるじゃないですか…… 」
「 キッチン以外の事は俺にも教えられるから、相談してや。まあ、お前が頑張れるかどうかやけど。 」
コネシマさんは大きな手で私の頭を撫でる。温かくて、吃驚して、ときめいて。それで、泣いた。嬉しくて泣いた。だけど、コネシマさんは泣かせたと勘違いして、慌て出した。
「 え?何で泣いてんの?俺が泣かせたん?また? 」
「 嬉しくて泣いてるんです。コネシマさんに、認められた気がして…… 」
「 ずっと前からお前の事は認めてるけどな。 」
私が顔を上げると、コネシマさんは照れ臭そうにそっぽを向いた。
「 後、お前、仕事の連絡以外もしろよ。何であんなに営業メールなん?もっと可愛気のある連絡しろよ。 」
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)
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