【 wrwrd! 】わたしがいちばん【 短編集 】

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　被害者女性は20日、女性と連絡が取れない事を心配した家族から警察に通報があり、警察が自宅を訪れた際に寝室で首を絞められている女性を発見。争った形跡はなし、犯人は知人と見られているが一方でストーカーの相談を警察にしていた事が発覚。
　
　
　「 相談してても、対策出来る事は限られてるよね。 」
　「 そうなんだよね。でも、被害者女性の実家は島根県なんだって。静岡の大学に通ってるから、静岡でひとり暮らししてるんでしょ？ストーカーだの何だのってなっても、そう簡単に帰れないよ。だって、島根だよ？ 」
　「 実家暮らしサイコー。 」
　
　
　マナミの空気の読めない発言に笑みが零れる。争った形跡が無いのに、ストーカーの仕業？ストーカーが家に入り込んだなら、めちゃくちゃ争うと思うんだけど。隙を突かれたのかな。死亡時刻は20日の朝、08 : 00……そんな朝早くに来客なんて来る？もしかしたら、大学に向かおうとして玄関を開けた時に襲われたのかも。絞殺か。苦しかっただろうな。
　
　
　「 じゃあ、新聞と後、これ。お願い。 」
　「 はーい。もっとちゃんと食べなよね？ 」
　
　
　マナミのお節介を軽く躱して、コンビニを後にした。最近、マナミとも遊んでなかったな。また今度、飲みにでも誘うか。家でゆっくり新聞を読もう。
　最近引越して来たマンションは安全面で選んだ。と言うのも、元彼の浮気で別れた訳だが、別れたくないと駄々を捏ねられたものの、振り切って別れたのだ。元彼が追い掛けて来そうで、安全面で安心出来るマンションを選んだ。その代わり、大学は有り得ない位遠くなったが、まあ、良いか。
　引っ越して来たばかりなのでテレビも無い。家に着いて夕飯を広げ、新聞を読んだ。
　翌日、バイトに向かう為に家を出た。明日から学校とか信じられない。一生、寝てたい。


　「 え？チーノ君？ 」


　玄関のドアを開けると、同じタイミングで隣人さんが顔を出した。見覚えのある顔。バイトでよく会う人。


　「 あれ、Aさんじゃないですか。どうして此処に？ 」
　「 どうしてって、私、此処に住んでるんだけど…… 」
　「 え？そうなんですか？奇遇ですね。俺も昨日から此処で暮らしてるんです。 」


　何と、チーノ君は昨日から私の隣の部屋で暮らしているらしい。何時の間に引っ越して来てたんだ。それにしても、バイト先の人が隣の部屋に住んでるとか何か気まずい。後、ちょっと怖い。
　
　
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