【 wrwrd! 】あにの葬式【 rbr 】

10 : 兄 ページ10

…


　「 送ってくよ。何処に住んでるん？ 」
　「 大丈夫です。寄りたい所があるので、電車で帰ります。 」
　
　
　寄りたい所等無いのだが、ひとりで気持ちの整理をしたい気分だった。此処から家迄、どれ位掛かるかは私も分からない。だが、どれだけ掛かっても良かった。
　
　
　「 本当に有難う御座いました。寒い日が続くので、お体に気を付けて下さい。また、兄に会いに来て欲しいです。兄も喜ぶと思うので。 」
　
　
　ロボロさんは、意味深に切なそうに微笑んだ。だが、特に何も考えず、私はロボロさんのマンションを後にする。
　電車が来るまでの1時間、駅のホームでボーッとしていた。13年前に兄が死んだ事以外、特別な日では無い。だが、心がモヤモヤしていて晴れなかった。
　スマートフォンがバイブしたので、画面をタップすると母親からメッセージが来ていた。兄の墓参りに訪れたらしい。そして、13回忌の日程について連絡があった。兄が死んでから13年、私は何をしていたのだろう。返信をしなかった。
　
　
　【 13 : 31 】
　
　
　家に着いた時には既に、お昼を過ぎていた。適当に何かを作って食べようかとも思ったが、13回忌の準備を先に進める事にする。
　2週間後の1月29日に、兄の13回忌が行われる事になった。クローゼットの奥に詰め込んでいた喪服を出し、クリーニングに掛ける事にする。色々と必要な物を出して、鞄に詰め込んだ。
　まだ、時間はある。だが、早くに準備をしていないと、不安になる。無事に兄の13回忌を終える事が出来る様に祈った。どうか、雪が止みます様に。


　【 1月29日 @ 06 : 17 】


　母には暫く、実家に泊まる様に言われたが、大学もアルバイトもあるので、断った。13回忌は実家で私達家族と、親戚で行われる。私は昔から、親戚の集まりの場が大嫌いだ。
　09 : 00に開催される13回忌だが、1時間以上早く着く様に電車に乗った。雪が降っていて、電車が止まる可能性もあったし、準備を手伝わないといけないからだ。
　今日の流れとしては、僧侶の読経を聞き、参列者が焼香を行った後に、お墓参りに行くのが一般的だが、大雪の影響でお墓参りは行わない事にした。焼香の後は、皆でご飯を食べて解散するらしい。さて、私はどれだけ働かされるだろうか。
　電車を乗り継ぎ、見慣れた街に戻って来た。此処は兵庫県神戸市。兄の自 殺した廃ホテルは、次の駅にある。
　傘を差して実家に戻ると、両親が迎えてくれた。
　
　
　…

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