7 : 兄 ページ7
…
「 勿論。好きなだけ、どうぞ。 」
ロボロさんは紅茶に口を付けた。私は壊さない様に、ゆっくりと卒業アルバムのページを捲る。
私は兄とは別の高校に進学したので、懐かしいとは感じなかった。それに、兄の友達の名前もロボロさん以外は分からない。だけど、ロボロさんの本当の名前も……
「 與那覇( よなは )さんって言うんですか？ロボロさん。 」
兄のクラスの個人写真に、ロボロさんの面影を見付けた。そして、今迄知らなかったロボロさんの本当の名前に、どうして" ロボロ "と呼ばれる様になったのか気になる程、似ていない。しかも、珍しい名前だ。
「 そう、與那覇。あんま居らんやろ。 」
「 初めて会いました、與那覇さんって方と。どうして、兄にロボロと呼ばれてるんですか？ 」
「 ハムスター。ロボロフスキーって分かる？世界で1番、小さなハムスター。俺、他の奴等に比べたら、小さいやろ？だから、ロボロフスキーを略して、" ロボロ "って呼ばれる様になってん。唯人だけ。俺の事を、ロボロって呼んでくれたのは。 」
傍から聞いたら、兄の無慈悲な弄りの様にも聞こえたが、" 呼んでくれた "と言ったロボロさんの言葉から、ロボロさんは嬉しかったのかもしれないと思った。
そして、兄のクラスの個人写真の中に、記憶の奥底に封印されていた顔が蘇る。
「 あの、ひとつ聞きたい事があるんです。ロボロさんは、あにの葬式で、殴りましたよね？兄とロボロさんと同じクラスだった、彼の事を…… 」
随分とストレートに聞いてしまったが、13年前の事なのだから許して欲しい。私は彼の写真を指差して、ロボロさんの方に卒業アルバムを向けた。彼の名前は" 馬来田 大吾( まきた・だいご ) "。
「 Aちゃんは、お付き合いしている人とか居るの？ 」
突然の質問に、私はキョトンとした。ロボロさんの意図が掴めず、稚拙な脳味噌を叩き直す。私の脳は、偶に思考を放棄するから困るのだ。
「 居ないです。恋愛は今迄、1度もした事はありません。 」
「 それはどうして？出会いが無いとか？ 」
「 外に出れば、全てが出会いらしいので、そんな事はないと思います。異性の友達は少ない方ですが、居ない訳では無いし……シンプルに好きな人が出来ないんです。恋愛って、どんな物なのでしょうか。ロボロさんは、そう言った方はいらっしゃるんですか？ 」
…
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紗枝(プロフ) - 猫さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！結構、衝撃的なタイトルですよね。でも、タイトルで興味を持って頂けて、光栄です☺︎ 愛し合っているのに、否定される程、悲しい事はありません。天国で、幸せに暮らして欲しいな〜と思っています😆 (11月17日 17時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - コメント失礼します、題名に興味を惹かれ作品を読ませていただきましたピンク色が好きな彼、普通の人だったらと言うような母の発言、もしかして、、、と思いながら読み進めていき、やっぱり、、と胸が痛くなりました、最後の展開に最後のセリフに心がギュッとなりました (11月17日 13時) (レス) @page27 id: 41566ecef6 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 子羊さん» こんにちわ。コメント有難う御座います！子羊さん、色んな作品にコメント下さり光栄です😭 最後の台詞はとても悩みましたが、殺人？それとも……と言った所に特定的な言葉を使いたくて、これにしました。次回作も是非、楽しんで頂けると幸いです🙏 (9月10日 13時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - あにの葬式、完結おめでとうございます！最後の夢主さんのセリフが特に好きで、もう何回も読み直しています。次回作も楽しみにしています！ (9月10日 5時) (レス) @page28 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
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