20 : 兄 ページ20
…
「 せやね。Aちゃんの年齢なら、何も考えてなくて当たり前。だけど、俺の年齢なら何も考えていないのは、ちょっと変。この歳で結婚していないと、原因があるんちゃうかと思われるんよ。何か訳ありなんやろうって、判断される。 」
「 ロボロさんは、何か訳ありなんですか？ 」
自分でも少し無神経だと思ってしまったが、口から出た言葉は何とも出来ないので、心の中で謝罪した。
「 Aちゃんは、セッ クスした事ある？ 」
ロボロさんはソファーから立ち上がり、私の隣に座った。そして、私の頬を人差し指でなぞる。ゾクゾクして、感じた事の無い感覚に襲われ、恐怖よりも先に、驚きが勝つ。
絶対に無いと思っていた。否、あるかもしれないと思っていたのは事実だが、まさか。本当に、こんな事が起きるなんて。
ロボロさんは、私が目を丸くしている事に気付いている筈なのに、無表情のまま私の胸元に指を滑らした。ボタンがひとつ外れる。もうひとつ外れると、下着が見えてしまう。乱暴ではなく、優しい手付きだった。
「 男なんて、女の子とふたり切りになったら、セッ クスしか考えないんよ。どんな風に抱けるか、どうやって持ち帰るか、何処を触れば気持ち良く出来るか。それだけ。ほんまに、それしか考えてない。 」
私を押し倒す訳でも無く、ボタンをひとつ。また、ひとつ外して行くだけ。私の肌がロボロさんの焦点を覆い尽くしたのに、ロボロさんは表情のひとつも変えない。
「 だけど、俺は違う。考えた事、無い。無理に考えようと思えば、出来るけど、自然には出来ひん。意識しないと、自分の性 欲が女の子に向く感覚が分からない。 」
私は、ロボロさんのズボンに視線をずらした。ロボロさんの指先が私から離れた時、気付く。
「 勃たないですか。 」
何の変哲もないロボロさんの下半身。大きくなる訳でも無く、興奮している息遣いが聞こえる訳でも無く。
「 ロボロさんは、女の子に勃たないですか。興奮、出来ないんですか？ 」
ロボロさんは、ゆっくりと私を押し倒した。視界がぐらりと崩れ、私に覆い被さる男の人。馬乗りになっているロボロさんの下半身は、硬くない。
「 俺、男が好き。 」
先に駄目になったのはロボロさんの方だった。私に覆い被さり、私の首元辺りに首を埋める。そして、子供の様にぽたりぽたりと涙を流し出した。
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紗枝(プロフ) - 猫さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！結構、衝撃的なタイトルですよね。でも、タイトルで興味を持って頂けて、光栄です☺︎ 愛し合っているのに、否定される程、悲しい事はありません。天国で、幸せに暮らして欲しいな〜と思っています😆 (11月17日 17時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - コメント失礼します、題名に興味を惹かれ作品を読ませていただきましたピンク色が好きな彼、普通の人だったらと言うような母の発言、もしかして、、、と思いながら読み進めていき、やっぱり、、と胸が痛くなりました、最後の展開に最後のセリフに心がギュッとなりました (11月17日 13時) (レス) @page27 id: 41566ecef6 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 子羊さん» こんにちわ。コメント有難う御座います！子羊さん、色んな作品にコメント下さり光栄です😭 最後の台詞はとても悩みましたが、殺人？それとも……と言った所に特定的な言葉を使いたくて、これにしました。次回作も是非、楽しんで頂けると幸いです🙏 (9月10日 13時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - あにの葬式、完結おめでとうございます！最後の夢主さんのセリフが特に好きで、もう何回も読み直しています。次回作も楽しみにしています！ (9月10日 5時) (レス) @page28 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
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