【 wrwrd! 】あにの葬式【 rbr 】

14 : 兄 ページ14

…
　
　
　「 なつほちゃん、今日は泊まって行ってな。何時帰ってもええから。暫く兵庫で遊ぶんやったら、Aと一緒に何処か行ってきたらええし。なつほちゃんは、親孝行するんだよ。 」
　
　
　親孝行。深く突き刺さる言葉。私も、親孝行しないと。でも、親孝行って何？兄の遺書を破って捨てて、私に読ませてくれない様な両親の為に、私は何が出来るの？何をすれば良いの？何を望んでいるの？
　
　
　「 有難う御座います、叔母さん。取り敢えず、Aちゃんが元気になる迄、こっちに居たいです。もう少し、唯人君の話がしたいので。 」
　
　
　兄の話なんて、何が出来るのだろう。私は兄の、何を知っているのだろう。
　
　
　【 2月2日 @ 14 : 16 】
　
　
　昨日から大学が春休みに突入した。3月の下旬迄、長期の休みになる。このタイミングを狙って、私はなつほちゃんの住む長野県佐久市に向かう事にした。
　相野駅から新大阪駅、新大阪駅から東京駅、東京駅から佐久平駅、佐久平駅から青沼駅。トータルで6時間26分。全額1万9470円。結構な出費。しかも長旅。
　兵庫県から長野県迄、それなりに掛かる。長野県に行った事が無い為、高校の修学旅行の様に緊張していた。
　向こうに着いたら、なつほちゃんのアルバイト先に居る、兄と同じ高校を卒業した男性と会う事になっている。なつほちゃんの暮らしているマンションに泊まりたいと言ったら、快く了承してくれた。歳も近いし、女子会の様に楽しめれば良い。長野県を楽しむ予定だ。


　「 なつほちゃん、お待たせ。 」


　なつほちゃんとは、青沼駅で待ち合わせをして、なつほちゃんの家に荷物を置き、彼の元に向かう事になっている。


　「 家賃は何れ位なの？ 」
　「 5万円位です。 」
　「 随分安いね。 」
　「 そっちの平均家賃は、6万円位ですよね？ 」
　「 そうだね。どんなに妥協しても、それ位になるかな。事故物件は極端に安いけど、精神的に疲れそうだから嫌だよね。 」


　なつほちゃんの暮らすマンションは、駅からそこまで歩かなかった。部屋も綺麗にしているし、自炊もしているらしい。私よりしっかり暮らしている。凄い。


　「 アルバイトは何をしてるんだっけ？ 」
　「 牛丼屋でアルバイトしています。アルバイト先は、茅野市です。 」
　「 近い所で働いてる訳じゃないんだ。 」
　「 大学の最寄り駅で働いてます。 」


　青沼駅から小淵沢駅に行き、小淵沢駅から青柳駅に向かう。2時間23分。
　
　
　…

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