13 : 兄 ページ13
…
耳が詰まる様な、耳鳴りが激しい。息苦しくなって来て、呼吸が上手く出来ない。
遠くからなつほちゃんが、私の名前を呼ぶ声がするのに、上手く口が動かない。どうしてか、自分の体がゆっくりと倒れていく気がした。
【 15 : 21 】
目が覚めると、自室に居た。此処を出る迄、この部屋で生活していた。物はひとつも捨てられていないし、私が何時でも帰れる様に部屋の掃除までしてくれている。懐かしいベットの中で、私は自分に起きた状況を思い出してみた。
なつほちゃんと話している途中に、倒れてしまったのだ。気絶してしまったのだろう。体が少し重たいが、水が飲みたくて起き上がる。時刻は既に、お昼を過ぎている。皆、帰っただろうか。
部屋から出て、階段を下りようとすると、リビングから声が聞こえて来た。
「 私がAちゃんに、余計な事を話した所為です。 」
「 疲れとっただけや。大学も忙しいみたいやし。なつほちゃんはなんも悪ない。 」
どうやら、母となつほちゃんが話しているらしい。私が倒れた事に、責任を感じてしまっているなつほちゃんに申し訳なくなった。
最近、兄の事を思い出す様になって、精神的に疲れていたのだろう。あまり眠れていない。ちゃんと休まないと。
「 唯人君って、学校で虐められていたんですか？ 」
なつほちゃんが、私が両親に話すか迷っていた事を打ち明けた。母が何を話すか、緊張する自分が居る。両親は、兄の事を何処まで知っているのだろう。
「 誰がそんな事を言うたん？ 」
「 Aちゃんから聞きました。虐められてたって。だから、自 殺したって。本当なんですか？ 」
また、心臓がバクバクして来た。病気なのだろうか。1度、病院に行ってみるのもありかもしれない。
「 唯人は、優しい子やから、何言われても言い返せなかったのかもね。 」
「 唯人君、生きてたら33歳ですよね。結婚したり、子供が居たり、普通の人生があったと考えると、悲しいですよね。叔母さんも、唯人君の結婚式とか、成人式とか、見たかったですよね。 」
「 あの子が普通の子やったら、勿論。 」
母の言い方に、何か違和感があった。普通の子だったら？兄は、普通の子では無かったのだろうか。どう言う意味だろう。私が知らない兄の事を、母は知っている。確実に。
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紗枝(プロフ) - 猫さん» こんばんわ。コメント有難う御座います！結構、衝撃的なタイトルですよね。でも、タイトルで興味を持って頂けて、光栄です☺︎ 愛し合っているのに、否定される程、悲しい事はありません。天国で、幸せに暮らして欲しいな〜と思っています😆 (11月17日 17時) (
レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - コメント失礼します、題名に興味を惹かれ作品を読ませていただきましたピンク色が好きな彼、普通の人だったらと言うような母の発言、もしかして、、、と思いながら読み進めていき、やっぱり、、と胸が痛くなりました、最後の展開に最後のセリフに心がギュッとなりました (11月17日 13時) (レス) @page27 id: 41566ecef6 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 子羊さん» こんにちわ。コメント有難う御座います！子羊さん、色んな作品にコメント下さり光栄です😭 最後の台詞はとても悩みましたが、殺人？それとも……と言った所に特定的な言葉を使いたくて、これにしました。次回作も是非、楽しんで頂けると幸いです🙏 (9月10日 13時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
子羊(プロフ) - あにの葬式、完結おめでとうございます！最後の夢主さんのセリフが特に好きで、もう何回も読み直しています。次回作も楽しみにしています！ (9月10日 5時) (レス) @page28 id: d689fcbe75 (このIDを非表示/違反報告)
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