セッターの勘 ページ14
.
清水「お疲れ様、ドリンク入れておいたから。」
田中「うっほぉ！ありがとうございます潔子サァーーン！！」
華麗にスルーされた田中は視界に入れないようにしながら、清水先輩からドリンクを受け取る。先輩に頭を下げながら同情する目を向ければ、でこぴんをお見舞いされた。
向こうのチームの方へドリンクを届けにパタパタとかけてゆく先輩を見送る。
隣を見れば、日向も清水先輩のほうを向いていた。見惚れてるのかとも思ったが、どうやら日向は東峰先輩を見ていたらしい。すぐそばで影山が日向にブロックの正しい腕の出し方を熱弁しているが、馬の耳に念仏といった様子だ。
日向があまりにも影山をガン無視するものだから少し面白くなってしまい、声を潜めてクスクスと笑う。するとなんと地獄耳なのか影山は目を釣り上げた状態でこちらをグルリと振り返り、大股でズンズンと近づいてきたのである。
危険を察知した僕はすぐに逃げようと背中を向けたのだが、影山が追いつく方が早く肩をがっちり掴まれた。悲鳴こそ漏らさなかったものの、ブリキの人形のようにギギギと影山の方を振り返る。
それはそれは恐ろしい顔であった。影山後頭部直撃サーブの時ほどではないが、どこかの輩かと突っ込みたくなるほどの顔面である。フィジカル強すぎるだろ。
影山「天野さん………どう思いますか……………。」
貴「ど、どうって」
影山「日向ですよ！！明らかに変！！」
貴「いやそんなこと言われても…。」
影山の勢いに多少身をひきながら話を聞く。変、と言われても、変なのはいつも通りだろう。特に変わった様子見えない。
「なんであぁなってんだ…？やっぱりエースである旭さんが…」と今度は独り言をぶつぶつと呟き始めた影山。えぇっと、僕もういらないなら手離してもらってもいいですかね？
そんなこと言えるオーラではないため、背筋を曲げ小さく縮こまりながら水を飲んだ。僕ってほんと災難…。
やがてすぐに澤村先輩が手を叩いて「時間押してるから早めに2セット目やろう」といってくれたことにより僕は難を逃れた。
しかし、一部始終を見ていたのにも関わらず助けてくれず更には爆笑していた月島には一発強烈な平手打ちを背中にお見舞いしてやった。
この時の僕は、セッターの勘を完全に舐めていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1850人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨智よゐ(プロフ) - たまごのこのこさん» わ！！確認遅れて申し訳ありません…！！支援絵ですか！！？ありがとうございます！！！(開いた瞬間の大迫力の「好き」に思わず笑ってしまった) (2022年8月13日 12時) (
レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
たまごのこのこ(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/d/e/a/dea2858fab2cad5e4e674356809de6f7.png描いたのですが、これで見れるのか分かりません…大丈夫ですかね (2022年8月12日 23時) (レス) id: 96153f3877 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 雨智よゐさん» ﾎｧｯﾊｧｯｯｯｯｳﾚｼｲﾃﾞｽﾞｯ…了解いたしました‼(ハァト)(ネットリ) (2022年8月12日 0時) (レス) @page49 id: 1f05e382be (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - はるさん» はる様の描く天野が大好きですので…強いて言えば、はる様が2枚目に送ってくださったポケットに手を突っ込んでいるあの構図が大好きです！！完成待ってます(ハアト) (2022年8月12日 0時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 雨智よゐさん» アッ雨智ｻﾝｯ…雨智さんの天野くんイメ画にしますか！それとも他の読者様の絵でこの人のがいいとかってありますかね！(( ͡° ͜ʖ ͡°)ｶｻｶｻ (2022年8月12日 0時) (レス) id: 1f05e382be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨智よゐ
| 作成日時：2022年6月16日 0時
