悲しい記憶 ページ26
.
日向「しゅ…守護神!?」
影山「なんだ、他にも部員いるんですか!」
菅原「…うん、居るよ。」
影山の問いに対して、菅原先輩は悲しそうに答えた。それを筆頭に事情を知っている僕たちも、各々が視線を逸らし顔を背けさせる。
なんとなく暗い空気が流れたところで、そろそろ帰ろうと遠くから武田先生に声をかけられたため僕たちはバスに乗り込んだ。
澤村「…よし!じゃあ軽く掃除して終了!お疲れした!」
あれから烏野高校に戻ってきた僕たちは少しミーティングをして掃除をし、解散ということになった。隣でうつらうつらと船を漕いでいる日向を横目に、あざしたーと頭を下げる。
澤村先輩はその後武田先生の方へ挨拶をしに行ったので、僕らはガラガラと体育用具庫からモップを持ち出して床を拭き始めた。
床の木目に沿ってモップを滑らせていれば、次の瞬間どさっと横からかかってきた体重。
それに焦って思わずモップを手放し、慌てて彼を支えた。
貴「うわっ、」
日向「ぐごー…ぐごー…」
貴「ちょ、日向寝てるんですけど…!!」
縁下「あっぶな!?日向!もうモップいいから帰んな!?」
山口「アレ見てツッキー!立ったまま寝てる!」
月島「すげー(笑)」
縁下が日向を支えてくれているうちに、残りの床にモップをかける。
日向は一山超えて烏野に来てるらしいし、この調子で自転車に乗せたらその後彼の姿を見るものがいなくなってしまいそうだ。居眠り運転ダメ絶対、早めに返した方がいいだろう。
田中「天野、お前倒れる人支えること多いな!」
貴「やめて烏養監督のは若干トラウマなんだから…」
菅原「でも天野がいたおかげで二人とも怪我なしだべ?」
貴「僕の心にダメージが入ってるんです。」
かけ終わったモップのゴミを落としながら三人で軽口を叩き合い、用具庫に戻しに行く。モップ台にみんなのものを立てかけていれば、後ろから山口の声が聞こえた。
山口「この真っ二つのモップ危ないから捨てちゃっていいですかー?」
菅原「あっ!いいんだそれは!」
振り返れば、跳び箱の陰に隠しておいてそのままになっていたあの時の折れたモップ。
そのまま捨てようとしている山口に慌てて近寄る菅原先輩。直せばまた使えるだろ、と悲しそうに呟く彼に、山口は不思議そうに首を傾げてはいと返事をした。
.
1661人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんこそ、こんなご時世ですのでお体にお気をつけてお過ごしください!お気遣いありがとうございます! (2022年6月14日 22時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 雨智よゐさん» 頑張ってください…!ただ、頑張りすぎて体調崩したりしないように頑張ってください(?) (2022年6月14日 6時) (レス) id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - ゆきさん» 暖かい応援コメントありがとうございます…!!これからも皆様のもとに面白さが届けれるよう頑張ります…。続編もよろしくお願いします! (2022年6月14日 6時) (レス) id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
雨智よゐ(プロフ) - 玲さん» ありがとうございます〜!🎉こんなに長々と書いてしまっている作品を未だ読み続けてくださりありがとうございます…。玲さんこそ!体調にはお気をつけてお過ごしください! (2022年6月14日 6時) (レス) @page49 id: 6395fe5fe1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしています!更新頑張ってください!! (2022年6月14日 5時) (レス) @page50 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨智よゐ | 作成日時:2022年4月23日 0時