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嘘はいけません ページ16

暫く続く沈黙。



それを破ったのはツッキーだった。



「また泣いたの?目元赤いよ。」



え、嘘。赤い?



『泣いてないよ。ちょっと目が痒くて擦っただけだから。』



泣いたことを悟られないように苦し紛れの嘘をつくが、そんな嘘が通用する相手ではなかった。



「何嘘ついてんの?ちゃんと言いなよ。」



少し冷たくて、怒りを含んだようなこえだった。



『嘘ついてる訳じゃ…。』



これはもう隠し切れないかな。



悩んだ末、打ち明けることにした。



『ここでは話せないから、家で話すね。聞いてくれる?』



「聞く。」



と簡潔な返事を貰ってから家までずっと沈黙が流れていた。





月島side



おばさんから「Aが帰ってこない」と言うのを聞いた時は心臓が飛び出るかと思った。



「僕、探して来ます。」



そう言って急いでAの家を出てまずはスーパーに向かう。



そこにAの姿はなく、色々な所を探し回った。



くそっ、どこにいるんだよ。



柄にもなく焦っているのが自分でもわかる。



ある角を曲がると見知った後ろ姿が見えた。



『A!』



やっと見つけた時には数人の男と一緒だった。



誰だよこいつら。



少し苛立つのが分かるがポーカーフェイスを貫き通す。


「ツッ…月島くん!?なんで…」



Aは驚いた顔をしていて、目元が赤かった。



キミ、また泣いたの?



『おばさんに見てきてくれって頼まれたから。早く帰るよ。あ、どーも、うちのAがお世話になりました。』



笑顔を貼り付けて感謝を述べる。



なんで僕じゃないんだ。



少しの怒りを覚えつつ、僕はAの手を引いて家路に着いた。



なんと言葉をかければ良いかわからず、頭の中で色んな言葉達が絡まる。



『また泣いたの?目元赤いよ。』



やっと出てきた言葉がつっけんどんな言葉だった。



「泣いてないよ。ちょっと目が痒くて擦っただけだから。」



嘘ついてんのバレバレ。



『何嘘ついてんの?ちゃんと言いなよ。』



「違う、けど…。」



頭では「優しくしたい」そう思っているけど苛立ちからか、言葉が言うことを聞いてくれない。



ダサいなぁ、僕。



こんな自分に嫌気がさす。



しばらく沈黙が続いた。



「ここでは話せないから、家で全部話すね。…聞いてくれる?」



『聞く。』



やっぱりなにか隠してた。



所々違和感を感じることがあったからだ。



Aがそう言ってくれたことが嬉しかった。

ツッキーによる取り調べ→←青城組は安定のイケメンだった



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ゆずもち(プロフ) - reiaさん» 人々を尊死させていく罪深き男。その名も二口堅治。なので仕方ないですね😂 (2022年2月24日 12時) (レス) id: 6380d3aa79 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - にろ、、、にろ、、、お前はどんだけイケメンなんだ、、、、、、!!! (2022年2月23日 10時) (レス) @page47 id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち(プロフ) - 太宰、乱歩などの頭脳派推しさん» ありがとうございます!研磨推しですか!私無気力組が1番大好きなので頑張って出します! (2022年2月22日 13時) (レス) id: 6380d3aa79 (このIDを非表示/違反報告)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - 更新楽しみにしてます。研磨推しです (2022年2月18日 17時) (レス) @page44 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
ゆずもち(プロフ) - おれんじさん» ありがとうございます!もうそろそろ合宿を書く予定なので、色んなキャラを動かすのが楽しみです🤭 (2022年2月18日 0時) (レス) id: 6380d3aa79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずもち | 作成日時:2021年11月23日 13時

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