2人だけの秘密の場所 ページ17
土方side
ついカッとなってしまい、万事屋を追いかけていたらいつの間にかAを置いてきちまったらしい
土方「クソ、アイツらめェ・・・次会ったらぜってぇぶっ殺してやる」
ブツブツ文句を言いながら、さっきいた場所に帰るとAの姿が見当たらなかった
土方「おい、A?どこ行った?・・・ったく、俺はどんだけ走り回ればいいんだよ」
今度はAを探すため走り出した
俺は最初、Aを敵視していた。けれど、日を重ねていく事に、コイツは良い奴なんだと思えるようになっていた
他の隊士とも打ち解けていて、総悟のことを呼び捨てで呼べる仲になっていた。けれど俺は変わらずの、さん付け。でも、それは俺が副長だからだと自分に言い聞かせていた
土方「ったく、どこ行ったんだよ」
何だか空が曇ってきた。けれど俺は走り続けた
Aが来てから真選組が少し明るくなった気がした。真選組は男まみれの所だから、Aは一輪の花なのだろう。中にはAに好意を寄せる奴もいるであろう。けれど俺は何故かそれに腹が立った
心がモヤモヤする
この気持ちはなんなのだろうか
Aを見ていると、体が熱くなる
土方「あ"ぁ!!・・・クソ!」
そんな気持ちをかき消すかのように、俺は全力疾走で走った
土方「はぁ、はぁ・・・どこに行ったんだよ」
俺は立ち止まって辺りを見渡した。すると、少し先に小さな森が見えた。そして俺の体は何故かその森へと向かっていた
土方「こんな所あったんだな・・・かぶき町には長くいるはずなのにちっとも気づかなかった」
少し歩くと大きな鳥居が見えてきた。それをくぐり抜けると長い階段が続いていた。そして雨が降ってきた。けれど、俺の足は止まらない
階段を上るにつれてだんだんと森が深くなってきた
土方「・・・・・」
そして神殿に着いた。その横には大きな御神木があり、そこに見覚えのある人影が見えた
土方「Aか?」
『っ!?え、ええ!土方さん!?ど、どうしてここが分かったの?』
土方「分からねぇ。けど、足が勝手に動いて、いつの間にかここに居た」
『凄いや!ここは私だけしか知らない秘密の場所だと思ってたのに』
土方「こんな森の中じゃ、みんな気づかないな」
『それじゃあ今からここは、土方さんと私だけの秘密の場所だね』
そう言ってAは笑った。雨に濡れたAは、なんだか色っぽく感じた
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作者名:Sky | 作成日時:2020年5月23日 9時