【名探偵コナン】ロシアから来た男は、最強なようです

ep.5 ページ7

有希子さんから貰ったメールには、不自然な言葉が一つあったのだ。高校生であるはずの新一が、組織が開発した薬を飲まされて子供の姿になったと言う。


⋯⋯当然だが、にわかに信じられなかった。だが、こうして新一と親しくしている博士が言うのだ。きっと、真実なのだろう。

けれど、それが事実だと判明したならばその゛組織゛とやらは確かにあの子一人の手には余り過ぎる。人の姿を幼くさせる薬、そんなの聞くだけでも恐ろしい物だ。



貴「⋯⋯なるほど。あの子が幼くなっている、と言うのは本当なんですね。有希子さんから話を聞いた時は、にわかに信じがたかったですけど」


阿「それもそうじゃろ。一般の者にこんなことを言っても、きっと信じては貰えんよ。まさか、高校生探偵である工藤新一が子供の姿になったなどと⋯⋯」


貴「それもそうですね。工藤新一の名は、オレもロシアにいた頃にメディアに取り上げられているのを見ていましたから。⋯⋯そんな有名人が、正体不明の組織に巻き込まれたなんて知れたらメディアが騒ぐでしょうね」


阿「嗚呼、そうじゃ⋯⋯。工藤新一が幼くなったなどと、ニュースか新聞にでも取り上げられてしまったら彼に薬を飲ませた組織に生きていることが十中八九バレてしまうじゃろうな。
そんな事になれば、次こそ新一を奴らは殺しに来るじゃろう⋯⋯。それに、あの子の周りに居る者にも危害が及びかねん」



そう、顔をしかめながら博士は俯いた。ーー博士の言う通りだ。このまま、あの子の正体が世間やマスコミにバレてしまえばまたたく間にニュースに取り上げられるだろう。

そんな事になってもみろ？新一の周りに居る者にも、何かしら組織からコンタクトを取られ危害が加えられるかもしれない。



それに、その組織とやらの全貌も未だに分からぬまま。そんな状況で下手に動けば彼らに勘付かれるのは必須だ。



ーーそう思うと、有希子さんがオレに連絡してきたのは正解なのかもしれない。今は、もう辞めてしまったが元々オレは軍人でそれなりに成績も良かった。

それに、今でも軍の方から手伝いを頼まれるほどにはロシアの軍とはコンタクトが取れる。それを上手く使えば、もしかしたらその組織の全貌とまではいかないが一部は分かるかもしれない。



元々、軍にいた頃はそれなりに人付き合いも上手くやっていた為、知人は多い方だ。今回の事について頼めば、協力を仰げる可能性がある。

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