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『ん…』
カーテンの隙間から差し込む光。
パチっと音を立てるように、勢いよく瞼が開く。
今日は仕事は昼からだし
朝の苦手な私は、いつもならギリギリまで寝てるのに。
なんか、今日は寝てるのが勿体無いというか…
昨日…
そんな特別な出来事があったような…
寝起きの頭で、ぼーっと考える。
幸せな夢を、見てた…？
寝不足のはずなのに
身体がふわふわして、ぽかぽか温かい。
手の中で握りしめたままの携帯。
あれ…
夢、じゃないよね…
隼に「好き」って言って
隼からも「好き」て返ってきて
手を繋いで、家まで送ってもらって
名残惜しく別れて…
まさか、全部全部
夢だったってオチないよね…？
確かめるように
開いた携帯のモニターには
Aおやすみ
私から隼に送った最後のメッセージ。
別れた後も繋がっていたくて
“今日はありがとう”って送ると
何回か交わしたLINEのやり取り。
夢、じゃない…。
幸せな気持ちをもう一度噛み締めるように
履歴を読み返す。
隼おはよ
一通り読んで携帯を充電器に繋いだ瞬間
届いた新着メッセージ。
高まっていく鼓動。
慌てて身体を起こす。
Aおはよ
隼起きてたんだ
A今起きた
わー
何これ何これ
ベットの上で携帯を握り締めて
手足をバタバタさせる。
突然震える携帯。
ディスプレイには、“隼”の文字。
『…も、もしもし？』
ー「おはよう」
『おはよ、う…』
ー「……」
『……』
ー「何か喋れよ」
『え、隼が電話かけてきたんじゃん』
ー「寝坊してんじゃねーかなって」
『私、今日昼からだし』
昨日、そんな話して
知っているはずなのに…。
これは
これは、もしかして…
『私の声が聞きたかった…とか？』
ー「ちげーよ、Aが聞きたいかなって…」
『……』
ー「何か言えよ」
『…素直になりなよ』
ー「は？バカじゃねーの」
言葉は冷たいけど
照れたような
どこか嬉しそうな隼の声。
夢じゃ…ないんだ。
朝一番に
声が聞きたいって想ってもらえる事とか
“おはよ”なんて
同じ空間にいなくても、ただの挨拶だけでも
こうやって、言ってもいいとか
隼の“彼女”…
少しずつ実感が湧いてきて
現実味が増していく。
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あず(プロフ) - しゅうさん» コメントありがとうございます。不器用な隼くんを描くのは私も楽しかったので、また機会があれば描いてみたいと思います(^^) (2018年7月26日 23時) (
レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - 隼くん。めっちゃ良かったです！不器用さにきゅんきゅんしました！隼くんの小説少ないので、ぜひもっと書いて下さい★ (2018年7月22日 19時) (レス) id: 9acbcf9b49 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - えりなさん» コメントありがとうございます。よろしければもう少しお付き合いください(^ ^) (2018年3月3日 1時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - とても良かったですキュンキュンしました (2018年2月25日 19時) (レス) id: 7f525f8379 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - NaTsuKiさん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)後もう少しなのでお付き合い下さい。 (2018年2月24日 9時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず
| 作成日時：2017年3月18日 20時
