検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:94,009 hit

61 ー 隼 side ー ページ12

Aの最寄りの駅に着いて、先に改札をくぐる。



『あ』


Aの声に後ろを振り返ると

改札の手前で何かを拾っていて…




手には

見覚えのあるモノ。



『あった』



いつか失くした

くまのストラップがプラプラと揺れている。



どこから?なんて首を傾げながら

改札をくぐるA。



『鞄のどっかに引っかかってたとか?」

「鞄の中汚いんじゃないのー?」

『隼と一緒にしないで』


何でだろーと

不思議そうにストラップを見つめて




『ずっと、見守ってくれてたのかな…』


俺の横で

ぼそっと呟く。




「捨てないの?」

『捨てないよ』

「もうお役目終わってんじゃね?」


モデルの仕事もうまくいってるし
ダンスの道も新しく拓けたし

お守りのご利益はあったはず…



『そういう問題じゃないし』

「そんなに気にいってんだ?」


Aが落ち込んでいた時

たまたまペットボトルについていたオマケ。


こんなに大切にされるとも思わなくて

少しでも元気が出たらいいなあってあげただけなのに…



『隼からもらったモノだから…』


少しはにかみながら


鞄からハンカチを取り出して

そっとストラップを包んで…大切そうに鞄にしまう。



そんなかわいいセリフを

そんなかわいい顔で言うかなあ。



きゅんっ

なんて、音が聞こえたと思うぐらい

胸が締め付けられる。





改札を出て

また2人で並んで歩き出す。



ストラップが見つかったからか

さっきよりも嬉しそう…




単純なやつ。


そこも、かわいいな…





「ん」


『何?』


「手…」


離れている距離がもどかしくなってきて

左手をAの前に差し出す。



一瞬固まったけど

ふわりと笑って俺の手を握り返すA。



やっと、繋げた手…


柔らかな温もり。



トクントクンと

同じ時を刻み出す…




「あっ」

『何?』


「おめでとう、な?」

『何が?』


「新しいグループ」

『急に、何?』


「言ってなかったなぁって」

『あはは、ありがと』



ホントは

俺が一番に言いたかったなぁって。



あの時

玲於に先に言われて、ちょっとだけ悔しかったんだ…。

62→←60 ー 隼 side ー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (175 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
524人がお気に入り
設定タグ:GENERATIONS , 小森隼 , 佐野玲於
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あず(プロフ) - しゅうさん» コメントありがとうございます。不器用な隼くんを描くのは私も楽しかったので、また機会があれば描いてみたいと思います(^^) (2018年7月26日 23時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - 隼くん。めっちゃ良かったです!不器用さにきゅんきゅんしました!隼くんの小説少ないので、ぜひもっと書いて下さい★ (2018年7月22日 19時) (レス) id: 9acbcf9b49 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - えりなさん» コメントありがとうございます。よろしければもう少しお付き合いください(^ ^) (2018年3月3日 1時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - とても良かったですキュンキュンしました (2018年2月25日 19時) (レス) id: 7f525f8379 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - NaTsuKiさん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)後もう少しなのでお付き合い下さい。 (2018年2月24日 9時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あず | 作成日時:2017年3月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。