検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:190,291 hit

story 28 ページ28

ベッドに入り深い眠りにつこうとした頃
メールの着信音で、目が覚める。


暗闇の中の、携帯の光が眩しくて
ぼやけてる視界から捉えた時刻は、夜中の1時。



ケイゴさん…?


こんな、時間に
お店で何かあったのかな…





“王子様、酔っ払って潰れてる”


やっと焦点が定まって、メッセージを読んだ途端
眠気なんて吹き飛んで、慌てて飛び起きる。


返信なんてする間も無く

その辺にあった服に着替えて、家を飛び出した。









カランカラン

お店に入ると
“あっち”って、ケイゴさんが目で合図してくれて。

奥の、いつものカウンター席で
涼太くんは机に顔を伏せているのか、ここからじゃよく見えない。

自転車で全力で走ってきて
乱れた呼吸を整えながら、ゆっくりと近づく。


涼太くんの手にはグラスが握られたまま
机の上で腕を組んで、その上に顔を伏せて…

目を閉じた綺麗な横顔は
お酒のせいか、ほんのり紅い。

微かに寝息が聞こえてきて

少し安心して
力が抜けたように、横の椅子に腰を下ろす。



「ごめんね、こんな時間に…」

『いえ、ありがとうございます』

連絡しようか迷ったんだけど…と
ケイゴさんが気にしてくれるけど

むしろ、してくれて感謝なぐらいだ。


レイコさんと会ってから2週間。

2人共、お店に顔を出す事がなくて…

ずっと、気になっていた。





「来た時から、もう飲んでたみたいで」

ここでも、強いお酒ばっか飲んでたって。


『何か…話してました?』

「んー、特にかな。今日Aちゃんいないの?って聞かれたぐらい。後は、黙々とお酒飲んでた」



もしかして、今日…

レイコさんと会ってた…?


涼太くん、傷ついてるの…?



握ったままのグラスを
そっと手から取り出そうと、指先に触れた時



「…Aちゃん?」

目が覚めて
眩しそうに、目を細める涼太くん。


『大丈夫ですか?』

「何で…?」


『マスターから連絡あって…』




涼太くんの

大きく見開かれた瞳が揺れた途端…



『涼太くん…?』


「あれ、俺…」


一粒の涙が、ゆっくりと…

涼太くんの頬を流れていった。

story 29 ー 涼太 side ー→←story 27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (253 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:GENERATIONS , 片寄涼太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あず(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです^_^また機会があれば、描いてみたいなと思っています。 (2018年7月22日 10時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました^_^ このお話大好きです。完結してますが、この後のお話を読みたいです。ぜひ、お願いします。 (2018年7月6日 21時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あい*さん» 待って下さっててありがとうございます!ゆっくりかもしれませんが、とりあえず完結目指して頑張ります! (2016年10月10日 10時) (レス) id: 86d1389d64 (このIDを非表示/違反報告)
あい* - ずっと続きが気になっていたので更新再開嬉しいです。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: aeb27fa9d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - わいさん» 放置し過ぎてごめんなさい!これから更新頑張ります!まだ興味があれば、見てくださると嬉しいです(^ ^) (2016年10月5日 12時) (レス) id: ab09cdb9d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あず | 作成日時:2015年7月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。