悪魔な女子の青春《2》

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「…掴みにいって！」

ドッ

バチッ

「下半身にもっとふんばりを！」



あの後、理事長に特訓のお願いをした入間だったが



「特訓(･･)なら

僕よりお勧めがいるからさ！」



と、お勧めされたのは

使用人のオペラだった




「その調子です！集中！」

「はい！」




〜休憩中



「お疲れ様です入間様！」

『はい、飲み物どうぞ』



「ありがとう！おなかペコペコだったんだ」


入間の後ろには既に平らげられた大皿が山ほど積まれていた



「あいかわらずの食欲で…」


「わっ」

『え…？』

「入間様……ッ

手が……」


ペットボトルを受け取ったが、その場でずるっと落ちる


彼の手をよく見れば所々皮がやぶけ、血が出ていた


「傷だらけ…」

「うん！

ようやく手に当たるようになってきたんだぁ！

前はかすりもしなかったんだよ！」



と言う彼に驚きの表情をむけた3人




「もう少しだと思うんだけど……

あとね！オペラさんの機嫌なら少しわかるようになった！」


頭にある耳のような部分が上がってたらHigh

下がってたらLowらしい




「入間ちすごいね！

悪魔って飽きっぽいのにー」



「あぁ

入間様は……変わっておられる」


『！ふふっ そうだね

(傷だらけなのは

ボールが手に当たるようになった証…か)』






「さー

練習練習！」

「おーー」


『その前に手当しようね』

「あ、はい…」

〜



それから入間は

毎日毎日特訓に励み



ある日……




「(……もう少し)」


ドパッ


「(もう少し!!)」


ガクッ


「入間様ッ!!」

「入間ち！」

『入間くん！』


地面に膝をつく入間に駆け寄ろうとするも



「もう……少し！」



真っ直ぐ前を見据える彼の気迫に

たじろいだ



「お願いします!!」



オペラが勢いよくボールを投げ込む



「(下半身に力をいれて…

ボールを


よく見……)」



顔の前にきたボールにびびり避けそうになる



だが


「(ボールを


よく


見ろッ)」



バチィィッ


「お」



「「『おおおおおおおお!!!』」」





「とれた！とれた！」

「さすがです！」

「タッチ！タッチ!!」

『すごいよ入間くん！』



なんていう喜びもつかの間…



「さっ

感覚を忘れないうちに続けますよ」

「はい;」




〜〜


「＿＿…どうやら

準備はできた様だね」


「ええ

万端に」



疲れきったのか、寄り添うよう眠る4人




外はいつの間にか太陽が登り




試験当日をむかえていたのだった

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