名前 ページ7
奥のキッチンを覗くと、案の定叔父さんが鼻歌交じりに仕込みをしていた。
俺らの来訪には全く気づいてないな、これ。
『えっと…叔父さん、今いい？』
「ぅえっ、Aくん！？」
ドンガラガッシャーン
…驚かさないようにゆっくり声をかけたが、ムダだったみたいだ。
派手な音とともに落下した調理器具(中身は空だった)を拾いながら、叔父さんは不思議そうに俺を見た。
「あれ、今日はバイトの日だったっけ？」
『あー、色々あってさ…氷嚢ってあったりする？』
急に来て氷嚢を求めるなんて、明らかにおかしいのに、叔父さんは深掘りせずに貸してくれた。
そーいうとこ、好きなんだよなぁ。
『後で事情説明するから！』
ひんやりと手の熱を奪っていく氷嚢を片手に、少年たちの元へ戻る。
『おまたせ。』
「ありがとうございま、っ！」
さっそく頬に当ててやれば、びくりと金髪くんの肩が跳ねた。悪戯が成功した気分でニヤリと笑うと、ジト目で睨まれる。
ジト目でもカワイイけどね。
あ、男子にカワイイは禁止か。
でも、この子たちイケメンだけどカワイイんだよ。
さっきの茶髪ちゃんの頭を撫でた時とか、「アーヤに触るなっ！！！」って言いたげな目で見てたし…そーいう年相応なところ、かわいーよね。
まぁ、中学生から見て大学生って大人だもんな。
好きな女の子を
いや、誑かしたつもりはないんだけど。
眼鏡くんと黒髪くんの言い合いを眺めながらそんな事を考えていると、ふと思い出した。
自己紹介してない。
あー、すっかり忘れてた！！
今思えば、紫髪くんたちは名前も知らないヤツの店に着いてきてくれたのか。
名乗りもせず連れてくるなんて、うわ、俺超怪しいやつじゃん。
今からでも遅くない…か？
『今更だけど、俺は
ニッコリと笑顔まで付けて自己紹介すれば、返ってきたのは少年たちの自己紹介…ではなく、呆れたような視線だった。
「マジで今更だな。」
「怪しいヤツじゃない、って自分で言ってる時点で怪しい。」
「自己紹介ヘタかよ。」
厳しっ！
仕方ないだろ…表面上は余裕ぶったけどさ、あの時、きっと俺だって、少なからず動揺してたんだよ。自己紹介忘れるくらいには。
あの場で、この子たちが頼れる大人は俺しかいなかったわけだし…頼れる大人でいたかったんだよなぁ。
…ま、恥ずいし、絶対言わねーけど。
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ゆう。(プロフ) - 更新ありがとうございます！開成だったんですね！怪しい人から尊敬(？)できる先輩へ昇格したか！？ (7月27日 21時) (
レス) @page10 id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - くまさん» あっ分かります。 (2023年3月20日 10時) (レス) id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - ゆう。さん» 何度もコメントありがとうございます、凄く励みになります。(ちなみに、私の中で夜凪くんはモテるけど友達止まり、みたいなイメージです。) (2023年3月17日 22時) (レス) id: c59cc54e7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 更新ありがとうございます！！凪くん…まぢでモテそうw気長に更新待ってます！ (2023年3月16日 17時) (レス) @page9 id: 394490a509 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - ( ･´ｰ･｀)どやｗ＠ぐんぐんグルトさん» コメントありがとうございます。私も結構夜凪くんを気に入っていますので、推してくれて嬉しいです。更新頑張らせていただきます。 (2023年3月11日 14時) (レス) id: c59cc54e7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くま | 作成日時：2022年8月13日 8時
