６−２.風紀委員長と梅雨時に ページ10
「……そんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
わざとじゃないんですし。
てへ、と言いながらチラリと舌を見せて言ったけど雲雀さんにそんなことは通用しない。
ずれた学ランを肩にきちんと掛け直してから、それはもう低い声で言い放つ。
「……邪魔」
こんな顔と声と雰囲気でそんな事言えば、ツナ辺りではきっとヒイイイなんて言いながら逃げるんだろうな。
的外れなことを考えてうふふと笑いをこぼすが、その笑いはますます雲雀さんを不機嫌にさせたみたいで。
すっくと立ち上がり静かに私の横を通過。
……トンファー取りに行ったのかな。
壁にめりこんだらしいトンファーは固い壁の粉々になった部分がこすれる音を立てながら風を切った。
自分で取りに行くなんて珍しいと後ろを振り返った瞬間＿＿、
「＿＿ったぁ！」
トンファーを思い切り頭の上に振りおろされたようで、私の頭をずきずきと痛む。
急所は避けてくれたみたいだけど、普通にトンファーで殴られたら痛いものは痛い。
ちかちかと目の端で星が待ってる視界の中に雲雀さんの不機嫌な顔が入り、苦笑いをした。
「分っかりましたよ、帰ります」
スクールバッグを肩にかけて引き戸を開けて廊下に一歩踏み出すと、
「……見送る」
何なんですか、ほんとにもう。
微笑ましいような呆れるような、でもばっちり笑顔は保って、「ありがとうございます〜」とスマイルサービス。
特に話す内容もないし沈黙の中でも居心地が悪い訳でもないから言葉をかわすことなく靴箱へ到着。
上履きを脱いでローファーを履き、自分の傘を手に取った＿＿はずだった。
最初は落ち着いてゆっくりと傘を探す。
その後隠れていたりしないかと一本一本傘を見てみる。
そうしたら下に倒れてないかなどと確認した後、不思議そうな顔をした雲雀さんに、にっこりと言った。
「傘、盗まれちゃったみたいです」
これも私が可愛いせいですね、と言ってもまだ眠気が覚めないのか雲雀さんは無反応。
……こういうのってスル―されるのが一番嫌なのに、ひっどいなあ。
口の先をとがらせたい気分で少しだけ非難的に雲雀さんを見ていれば、雲雀さんはやっとこっちへ目をやった後、真顔で言う。
「僕の傘があるからそれ使って」
その言葉はありがたいだとか雲雀さんが神に見えただとかそんなことにはさせなかったけれど＿＿この人の頭大丈夫なのかなと思わせるには十分だった。
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
