１９−２．風紀委員長と日の下で ページ47
「邪魔だよ」
四人を退かせ雲雀は数歩前に出た。
Aはその様子を見ながら、さてどうしたものかと首を傾げる。
雲雀の目はAを捉え、その眉間には皺が寄った。
「……何してんの？」
「何、と言われましても」
サボってました、とは流石に言えない。
Aは汗が背中を流れるのを感じながら、一歩後ろへ。
しかし雲雀がまた距離を詰めて来、Aは後ろへ下がる。
……やばいこれじゃあ壁にぶつかる、と四歩手前の所でAは気づき、後ろの方ではらはらと見守っていた四人へと大きく声を掛けた。
「ごっめんねツナぁ、お昼の邪魔して！
私もう友達のとこ行くし、ゆっくりしてって〜」
それじゃ、と言葉にしないが駆け足で雲雀の隙を突いて横を通り抜けるAに、雲雀が腕を伸ばしかけて密かに武器で弾かれる。
彼女の表情を見ると目元はくすりと笑っており、どうやら彼女の計画通りになってしまったらしい。
むっとした雲雀は、既に屋上から出ていき階段を駆け下りる彼女の後を追った。
一瞬の出来事に、残された四人が目を丸くしていることも知らずに。
**
床が二人の人間の足を弾く音がする。
逃げているAは後ろに一瞥もくれずにただ階段を走って降りることに注意を向けており、また後ろの雲雀もただ目の前の少女を追うことだけに専念していた。
昼休みのせいか人気が無い為に、誰もこの突風でも吹きそうな雰囲気に気が付かない。
このままでは体力が尽きるか階段が終わった頃かに勝負が着いてしまう。
自分の体格が良いわけでないことにAは恨みながら、手すりを掴み、踵だけ地に着けてくるりと方向転換した。
雲雀は一瞬たじろいだが、靡いた髪が元に戻った瞬間に見えた猫目に、安堵と共に見惚れた。
黒い瞳は自分を捉えると柔らかく細められ、艶のある声色は、自分を呼んだ。
笑いを浮かべた口許。
「追いかけっこ、疲れたでしょう？
お腹も空きましたし」
別に僕は＿＿言いかけて、雲雀は口を噤み、Aの横を通り過ぎた。
「……応接室」
来い、という意味なのだろう。
Aは彼のぶっきら棒な言い方にくすりと笑って、見られないように満面の笑みを零した。
(私お昼今日ないんで〜)
(……じゃあ食べなければいいよ)
(あっはは、優しさが足りませんねえ)
(……ハァ)
(あっ、それって「仕方ないな」って意味でしょう？)
(……)
｟あながち間違いではない、と｠
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
