１８−４．ヴァリアー達とで十年後 ページ45
「えっ、えーっとぉ……」
火花を散らせるAとそいつの間で、ルッスーリアがおろおろし始める。
何とかしようとしているが、残念ながら今何を言ったって焼け石に水＿＿かと思いきや。
「ゔおﾞおぉぉおおいﾞ‼
お前らいい加減にしろぉおﾞ‼」
「あてっ」
「いだっ」
ゴッ、と鈍い音が二つ、二人の頭の上で響いたかと思うと、スクアーロが手にしていたのは紛れもなく剣の柄である。
Aは痛みで涙ぐみながらもスクアーロとスクアーロの手を睨んだが、当然そんなの彼に効きはしない。
「これから協力しなきゃいけねえ時期に暴れんじゃねえ‼
おい、行くぞぉ！」
言いながら自分もすたすたとトレーニングルームから出ていく。
ルッスーリアもそれに続き、自分もそうすることにしたAは、ちらりと、まだ後ろでむくれている彼に目を向けた。
まるで子供だ。
そのことに気づいてしまい、笑いそうになる。
それを見た彼はまたイラっとした顔をしたが、Aは気にすることはしなかった。
ただただ、懐かしく思ったのだ。
自分達を置いて進んでしまった世界にいきなり放り込まれて、驚かない人間はいない。
ましてや、精神が完全なわけでもない彼女が。
十四歳の、少女が。
だからこそ、十前とほとんど性格の変わらない彼に安堵したのだ。
＿＿いやきっと、ヴァリアーの人も、昔の知人も、誰もほとんど変わっていないのかもしれない。
ただ、自分が「十年後の彼ら」だと思っていただけで。
大丈夫だ。
ひとりぼっちだと決めるのは、自分じゃない。
私はまだ、まだこんなに。
「……良い人らに恵まれているもんね」
ふと口許を綻ばせたAは、先に歩く彼らの背中を追いかけた。
そして自分の横を駆ける彼に、にっこり笑う。
「……俺はまだテメーの事なんか認めてねえからな」
そんな事を言われたとしても怖くなどない。
きっと本人は気づいていないんだろう。
その言葉の隠された意味を。
＿＿お前次第なのだと、言ってくれている事を。
Aは広い廊下を走り、そしてこれからの晩餐に、心を躍らせていた。
(ああ、もしかしたら、とても楽しい生活になるかもしれない)
(まだ会っていないメンバーも、すごく楽しみだなあ)
(……でも)
(こんなに楽しいのに、あの人がいないのは、少しだけ残念かもしれない)
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
