１６−１.憎らしい君とリング戦にて ページ31
かなり過去盛ります。
短編じゃなくね？ ……な、感じになると思います。
シリアルです(真顔)
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屋上には一人の少女と一人の少年がいた。
肌寒い空の下、秋の形をした雲が時折吹く風に押されている。
少年と少女は、二人きりだった。
いつもであれば少女からは軽口が叩きだされ、二人は喧嘩と言う名の戦いを始めていたはずなのだが、今日はそのような気配すら見せない。
少年の顔は無表情で、平静を装おうとずっと空を眺めている。
その手にトンファーはない。
加えて、人に触れる事が苦手なはずの少女であるはずなのに、今は少年の背中にすがりついていた。
嗚咽を抑え、その手は震えていた。
何故その様になったのか。
それを説明するには、少々長い時間がかかるだろう。
何せこの少女の人格を形成した、人生の背景とも言える程、根の深い話なのだから。
＊＊
久しぶりに見る、その皮肉な程に美しい黒髪と双眼を睨む。
敵の服を纏ったそいつは、記憶に残るあの笑顔をまだ浮かべていた。
場外でざわめくツナ達を映すモニターを横目に、私は昔写真に向かって語ったその話を思い出していた。
少し昔の話をしよう。
私がまだ小さかった頃の話。
私がまだ、「あいつ」と二人で世界を旅していた頃の話。
私は物心ついた頃から一緒にいたあいつと毎日を過ごしていた。
毎日目に入る者は新しくて、楽しくて、一生懸命に生きていた。
それでも。
それでもね。
あいつは私に笑いかけてくれる事はなかった。
幼いながらに何故だろうと悩み、そして最後に浮かぶのはあの作り笑いをしたあいつで、自分にはまだ何かを考える材料すらないのだと落胆して。
薄く記憶に残る母の姿を夢で追いかけて、泣いた日もあった。
輝くようなブロンドのあの髪。
いつも床に伏せっていたけれど、健気に笑っていた。
私はそんな風になれるんだろうか。
そう思って鏡をのぞいたけど、そこにいたのは あいつの笑顔。
顔はそっくりなはずなのに、って、何度も思ったけど、やっぱり無駄だなって思ってこれも考えるのをやめた。
そんな事を毎日繰り返していたからかもね。
私はあいつにいったんだ。
何かをね。
何かを言ったのは覚えてる。
でもその何かが分からない。
思い出せないの。
霧にかかったみたいに、幾枚も布を重ねてしまったみたいに。
でも、確かにそれを言った日から始まったんだ。
私があいつに殺され始める日々が。
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
