７−１.跳ね馬と部下と戦闘後 ページ12
リング戦前。
＊
秋晴れの日、風がそよぐ爽やかな空気の中で、爽やかでない所がひとつ。
並盛中の屋上では人影がふたつ。
そのふたつの影は時々接近したかと思えば両者が離れて＿＿それを繰り返す。
傍から見れば何をしているかよくわからない光景だ。
だが、これはれっきとした殺し合い。
ただしお互い殺す気はなく、ただ単に戦っているだけ。
が、常識で言えばこの時代に戦う場面なんてほとんど見ない。
そんなまれな光景を作っているのが＿＿並盛中学校の風紀委員長の雲雀と、二年A組の女子生徒である草凪Aだった。
雲雀はトンファーで、Aは短剣で応戦していた。
雲雀のトンファーは仕込みがあり、時々Aをそれでおそう。
しかしAは負けておらず、口許に笑みを浮かべながらそれらをかわし、サバイバルナイフのような特殊な形をした短剣で急所を狙う。
Aに傷は少ないものの、雲雀は短剣の攻撃性のためか頬や腕、脚が所々負傷し、微かに血を流していた。
一旦二人は間合いをとると、汗をぬぐう。
「ははっ……よくやりますね雲雀さん。そろそろ飽きて来ません？」
笑いながらスカートのほこりをはたくAに、
「飽きない」
雲雀はキッと睨みを利かせた後、Aの元へと一気に跳躍し、首許を狙った。
Aはそれをギリギリでかわし、怖い怖いと雲雀を挑発する。
「……」
雲雀はむっつりとした表情でトンファーの仕込みをしまい、すたすたと出口へと向かって行ってしまった。
もういいのか、とAが呟いた後、帰り際にAをもう一度睨む。
「君が本気じゃないとつまらない。それに僕に短剣で勝とううとしてるのがやっぱり気に入らないよ」
音をたてて扉は閉められた。
雲雀の言葉に、Aはため息をつく。
別に短剣がトンファーより勝っているとは思わないし、それ程腕に自信があるという訳でもない。
きっと雲雀が本気を出したら、負けはしないものの深手を負うだろう。
ただ、短剣は自分の肌にあっている。
それだけだった。
「ほんっと横暴だな〜……」
クラスメイトが今までの光景を見ていない事を確認してから、自分も屋上を去ろうとした時＿＿声をかけられる。
気配に気づいていなかった事に驚いて慌てて後ろを向くと、そこにいたのは敵ではなかった。
人懐っこそうな、でも少し大人な笑みを浮かべた雲雀の知り合い＿＿キャバッローネファミリーのボス。
跳ね馬ディーノだった。
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
