１.風紀委員長と放課後にて ページ1
暖かい日差し。
たなびく雲。
そよぐ風。
なんて素晴らしい日なのだろうか。
少女の鼻歌は廊下に響く。
ガラリ、と、引き戸が開く音がした。
それがただの教室の扉であれば別段おかしくはないのだが、この部屋は応接室。
つまりこの並盛中学校で恐れられている風紀委員長の使用する、一般生徒には近寄りがたい場所なのである。
だが、扉を開けた少女は一般生徒ではない。
風紀委員長＿＿雲雀恭弥と会話のできる変わった性格の持ち主であり、雲雀の類稀な戦闘能力と肩を並べられる程の腕前を持つ数少ない人物。
要約すると変人だ。
ああいや、特殊な人間である。
そんな少女はふわりとパーマのかけられた、艶やかな黒髪のショートヘアをちょいちょいと整えながら、いつも通りの少し嘘くさい笑顔をにっこりと浮かべ、雲雀に声をかけた。
「相変わらず忙しそうですねえ、楽しいんですか？ それ」
「うるさいよ」
「わあ。酷くないですか、せっかく遊びに来たのに」
ぷう、と、あざとく頬を膨らませる少女に対して、雲雀は態度を変えず、ただ黙々とデスクワークを続ける。
だが、雲雀は本当に「うるさい」と思えば、ただちに女子であろうが子供であろうが殴りとばしている。少女もそれが分かっているためか、にこにこと笑顔を保ちながら、さらに足を進め、雲雀の机へ顔をのぞかせた。
「……邪魔だよ」
「ふふふ」
雲雀の書類を盗み取って遊ぶのはこの少女くらいであろう。
雲雀は一応不機嫌そうな顔をしてから、ふうとため息をつく。
「何。用でもあるの？」
「ん？ んーと。あっ、そうでしたそうでした、シュークリームを貰ったので、一緒に食べようかと」
美味しい所のらしいですよ、と、少女が笑えば、雲雀は興味なさそうにシュークリームを眺めた後、にやりと笑った。
「あ、やーらしい顔」
「……。……食べてもいいよ。けど、食後は運動が必要なんじゃない？ A」
流石に少女＿＿Aも、笑顔をひきつらせた。
まさか。
まさか真っ昼間から。
……まあいいか、とAは呆れ顔を微笑に隠し、シュークリームを手に取った。
「本当戦闘マニアですよね、雲雀さん」
「君とは引き分け続きだからね」
Aと同じようにパクリとシュークリームを食べ、雲雀は心底楽しそうに笑う。
彼にとっては、今は仕事や食欲や恋愛よりも、目の前の少女を倒す事が優先なようで。
(美味しいですか？)
(不味かったら食べない)
(その言葉ってずるいですよねえー、もう)
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鈴鐘草(プロフ) - レナさん» いえいえ！ 本当に嬉しいんですよー、自分が書いているものが好きだって言ってもらえるのは(＾▽＾＊) コメントを全くくれないと「つまらないのかなあ…」って不安にもなりますしねえ(笑) 本当にありがとうございます、よりよい小説を書くために精進していきます！ (2015年11月22日 23時) (
レス) id: a9e0db2ec6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - そんな。大げさですよ！汗 (2015年11月20日 19時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» わあああまた遅くなってしまいました！ 本当にそういう言葉は嬉しいです、これからも励みにさせていただきますね^^ (2015年11月20日 18時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 応援してます！ (2015年11月14日 11時) (レス) id: 67d98e9ffd (このIDを非表示/違反報告)
鈴鐘草 - レナさん» 初めまして！返信大変遅れました、すみません…。息抜きに来たのですが、コメントを下さった方がいたなんて…（感涙） ありがとうございます、大好きといって頂けて作者冥利に尽きます（´ω｀*）コメントありがとうございました、これからも頑張りますね…！ (2015年11月14日 0時) (レス) id: 0572002cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴鐘草 | 作成日時：2015年6月7日 22時
