また君に会えたら【桃】

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「あれ、トラック………」


いつも通り一人で下校していると、家の近くに引越しのトラックが来ているのが見えた。



「また誰か、引っ越してくるんだぁ…」



うちの隣の家は、11年間ずっと貸家だった。


数年事に誰かが引っ越してきたりってことがあったから、今回も別に珍しい事じゃない。






＿＿＿そこはほんとは…さとみくんの家なのに。




私はその場に立ち尽くした。


もしかしたら、そこにさとみくんが帰ってくるかもしれないのに。



さとみくんの帰る場所を、勝手に奪わないで。




でもそんなこと、大人には関係ない事だった。
















落ち込んだ気分になった時はいつも、家から一番近い公園に来ている。


そんなに大きくないし遊具も全然ないけど、大きな木があるんだ。



さとみくんと誓った、あの場所で………私はいつも、勇気を貰っている。





いつも、いつだって同じ。


変わらないもの。



だけど、その日は違った。




「……………A………？」







その瞬間から、止まっていた時間が動き出した。

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