また君に会えたら【桃】

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｢…………俺、中3の頃から付き合ってる彼女がいたんだよ。一つ下の。｣

｢……うん。｣


｢最初は俺の片想いだったんだけど、結局付き合えたんだ。｣
｢つい最近まで、ずっと付き合っててさ…………ほんとに好きで、結婚したいって思ってた。お前のことなんかすっかり忘れて。｣




さとみくんの好きな人。彼女。結婚。

変えようもない、どうしようも無い事実が、私の胸をぎゅっと締め付けた。



｢だけどそいつ、高校に入った瞬間キャラが変わってさ。平気で浮気するようになった。｣
｢俺の気を引くためだったって言ってたけど、許せなくて…………そいつの首、締めて……｣
｢細くてか弱いタイプだったから、ほぼ半殺しだった。それで俺、逃げるようにここに戻ってきたって訳。｣


｢…………そう、なんだ。｣





さとみくんは私なんか居なくても彼女がいて楽しそう。私はずっと寂しかったのに。さとみくんに想われてた彼女が羨ましい。


色んな気持ちが次々と浮かんできて、頭がいっぱいになる。



私はさとみくんのことだけ思ってたのに、さとみくんは私の事なんか忘れてたって。



｢彼女の浮気がバレてからここに来るまでの間、寂しくてたまらなくてさ……。何人相手にしたか分からないくらい｣
｢ここに来てからもその癖なおらなくて。それが今も続いてるってこと。｣


｢………………｣


｢俺、まだ好きなのかな、あいつのこと……。はは、笑っちゃうよな｣



そう言うさとみくんの顔は、とても寂しそうだった。

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