二十片 ページ21
ポートマフィアのビルへと這入り尾崎と治崎は昇降機で最上階へ向かっていた。
そして尾崎が見張りに用件を伝えフレンチ・ドアを開ける。
「首領、この前云っていた少女を連れてきたぞ」
「尾崎くん、ありがとう」
「あっ…」
治崎は首領と呼ばれた人物に見覚えがあった。
先日怪我を治し美味しいお菓子をくれた人物だった。
「久しぶりだね」
「美味しい、お菓子をくれた人」
「
「くっ…きい?……別に」
「先刻美味しいと云っただろう」
「……云ってない」
「随分とひねくれた子だねぇ」
「最初からこのような調子だ」
「あれ、でも私が会った時はもう少し口がよかったけど」
治崎はそっぽを向きそのまま話す。
「それで、私にして欲しいことって力を使うだけなんですか?」
「そうだよ。出来ればここの構成員の一人として戦ってほしい」
「何と」
「ヨコハマに害のある者達と」
暫く治崎は口を閉じて考え出した。
「いのうりょく…。先刻云っていたいのうりょくって?」
「お主の力だ。あれは異能力と呼ばれる」
「その異能力は誰にでもあるの?」
「限られた人間だけじゃ。私や首領も持っているぞ」
「限られた、人間…」
「今日は疲れただろう。尾崎くん、彼女を休ませてあげてくれるかい?」
「では失礼するかのう」
そして尾崎は治崎を連れて外へと出ていった。
「扨、これからが楽しみだねぇ」
首領───森は不敵に笑った。
8人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クマぽん - 中也とのコントみたいなのがとても面白かったです!!!!!これからも頑張ってください!!!! (2018年12月19日 18時) (レス) id: a657e0068a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:衿歌 | 作成日時:2018年4月28日 23時