天邪鬼【中原中也】 (ページ3)

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二片ページ3

「中原幹部、仕事の時間です」
「嗚呼、すぐ行く」

二人が出会ってから約一年が経った。
治崎が補佐についてからというもの仕事の効率が良くなり多くの功績をあげた。
今では多くの部下の頼りにされている。
しかし───

「さて、今回の任務ですがこび…んん、中原幹部の部隊が」
「待て、手前今何つッた」
「中原幹部の部隊が先攻で」
「無視すんじゃねェ！」
「他部隊は三つに分けます」

淡々と話を続ける治崎と青筋を立てる中原。
それを見ている部下達は慣れてきたとはいえ、顔には出さずにヒヤヒヤとしていた。
そう、功績をあげ効率も良くなりいい事だらけだが

「五月蝿いですよ中原幹部。話を聞いてください」
「其の前に俺の事を何て云おうとした」
「………中原幹部、と」
「嘘吐くな」

二人の仲が悪い。
主に治崎が悪いのだか常に口論をしている。
任務中は事前に打ち合わせたかのようにコンビネーションがいいのに。

「はいはい、話を聞きましょうね」
「子供扱いすンな」

『喧嘩するほど仲がいい』と言うがそれは本当なのか。

「では部隊編成です。中原幹部のいる先攻部隊は」

治崎と中原が普段から仲が良ければ仕事の効率は格段に良くなるはずなのだが

「───と、なります。いちいち五月蝿い小人幹部は無視して仕事の支度をしてください」
「小人じゃねェ！！」

何故こんなにも一言多く言うのかは謎だ。
二人の仲は悪くなる一方だった。
部下達は胃が痛いと思い乍も仕事の支度を始めた。