【名前固定オリジナル】アカツノ【男主】

▽ ページ31

「２人ともうるさいから、黙りなさい」


そこへ端に立っていたサリーが止めに入る。するとサファイアは頬を赤らめて、舌を出しながら頭をかいた。これは彼女のくせなのだろう。


サリーは３人の容疑者の方へ歩き、１人の人物に指をさす。



「あなたが犯人ですね……」


サリーが犯人の名前を言う前にスパークの身体がとっさに動き、彼女の腕を瞬きしている間に近くに落ちていた紐で縛り上げた。それに１番驚いていたのはスパーク自身である。


「ちょ、ちょっと。何するのよ。放しなさいよ！」


サリーが解こうと暴れるが全くびくともしないようで、諦めてしまった。ため息をついてスパークの方を見ると、頭から赤い角が生えており口からは白くてきれいな牙が生えていた。そこにはもうスパークの面影はない。


「じゃあ、犯人を教える前にコートやマントを脱いでくれないかな？ そうすればだれが犯人かわかるだろうしね」


スパーク青年に全く似ていない「アカツノ」は口から炎をいきなり出して、ゾルフィアの横へ流れていく。会場のを形成している木材に燃え移ることはなかったけれど、へたしたらゾルフィアが死んでいたかもしれないと思えるほどの大きな炎だった。


ゾルフィアはあまりの驚きに転んでしまい、その瞬間にだけ手の甲がちらりと見えた。その甲には３つの縫い目の痕があったのだが、スパークは気が動転しており全く気づかない。

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