【伏黒甚爾】師匠に呪いをかけました。【呪術廻戦】

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｢おかえりA、もう少し戻ってくるの遅くなるかと……どうしたんだいその頬！！｣

『禪院との縁談無くなったら家族から絶縁された！！！』


そう、あの後家に帰ると、既に縁談が無くなった話が行っており、予想通りぶん殴られましたし、役立たずとは絶縁だ！と言われました。

いえーい、と出迎えてくれた夏油に対してピースを向けると、ギュッと抱きしめられる。驚いて夏油の背中をとりあえず｢離して｣の意を込めポンポンと背中を軽く叩く。


｢まったく……そんなに明るく言う内容じゃないだろう｣

『なんで？娘を道具としか思ってない家族とも縁切れたし、禪院家に入るなんて死んでも嫌だったし。
あと、げと、ちょっと苦しい』

｢あ、あぁ…ごめんね
……そっか。
じゃあその傷早く硝子に治しに貰いに行こう｣

『そうだね』


夏油の横を歩き、硝子の元へ向かった。

硝子にも縁談無くなった話と家族と縁切れた話したらため息をつかれた。でも、私らしいと言ってくれた。

正直私らしいって言葉一番嬉しいかも。

どこへ行っても園谷の娘、園谷の人間としてしか見られなかったのが、同期である三人は園谷Aとして私を見てくれている。


｢A、呪術師は辞めないんだね｣

『うん、別に嫌いでは無いから。
でも、良かった。私全然結婚願望とか無かったから』

｢え？どうして｣

『私弱いから、大切な人置いて死んでっちゃう自信しかないし。
置いてかれる側の気持ちいっぱい知ってるから』


苦しくて、辛い記憶。

でもそう考えたら、甚爾さんにとっての私ってなんなんだろうなぁ。まぁ、良くて物好きな弟子って所かな。悪くて園谷の娘。


｢A｣

『呪術師って、やっぱりそういうのだから仕方ないとは』

｢A！｣


彼に肩を掴まれハッとなる、いつの間にか目から涙が零れていた。あぁ、ダメだ弱いな。まだ考えただけで涙が出るなんて。


｢……A、絶対あの男と他人じゃないでしょ
どういう関係だったの｣

『……もう死んじゃったし言ってもいっか。

私あの人に稽古つけて貰ってたの、良く家にも遊びに行ってたし、奥さんや息子さんに会ったことあるし、みんな暖かく迎え入れてくれて。
あぁ、これが家族なんだろうなって……
だから、私にとって甚爾さんは、他人以上家族未満の関係。そして大切な師匠。』


ふと、稽古以外で一度本気で殴られたことがあった、と思い出す。

アレは私が悪いんだけれども。

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