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｢……まだ気が付いてなかったんだね｣
『何』
｢君は一人じゃないのに、君の隣には最強が居るじゃないか｣
『！……それは、悟は優しいから私と居てくれるだけで』
｢ちょっと待て、何勝手に決めつけてんだよ。
俺はお前と居たいから、お前と一緒にいるし、お前と付き合えた時も相当喜んだんだぞ。｣
『え、そんな、冗談でしょ』
何となく、言葉を理解するのが怖い。
理解してしまえば失ってしまう。
『やめて、お願い、聞きたく、無い。』
嫌だ、嫌だ。
｢……こんな立場で言うことじゃないかもしれないが、私の最後の言葉だと思って聞いておくれよA｣
『いや、だ。嫌……！』
耳を塞ごうと思えば両手をキュッと握られ動かせなくなる。掴んだ人物を見れば、甚爾さんだった。
そうだ私、自分勝手に、甚爾さんを。
｢君は一人じゃない。もう過去に縛られなくていいんだ。……私はもう死んでしまうけれど大丈夫、君には悟がいる。｣
『！、さ、とる。』
｢……傑どういう｣
｢悟黙って聞いてて。
君も彼を縛り付けたい訳じゃないんだろう？
A、過去じゃない、今を見るんだ｣
『今を、見る』
隣にいる悟を見る、彼はずっと私を大切にしてくれたじゃないか。それなのに私は彼の思いを無下にした。
過去を失うのが怖くて今を見ることを諦めていた。
その時、複雑に絡み合った糸がするりと解ける感覚がした。涙がポロポロと溢れ出してしまう。
『ごめん、ごめん……』
目からこぼれ落ちる涙を必死に拭っていると、｢やれば出来るじゃねぇか｣と声が聞こえる。
懐かしい声。
勢いよくそちらを見ると、呪霊の姿じゃない、生前の、見慣れた甚爾さんがそこに立っていた。思わず走り出し、胸の中に飛び込む。
『ごめん、ごめんね、甚爾さん。』
｢……だから言ったろうが、お前には仲間がいるから安心しろって…バカ弟子が｣
『言い終わる前に死んだわよ！！バカ師匠！！』
そうだったか？ととぼけた表情で頭をかいていた。
『成仏した先で奥さんに会ったら私の代わりに謝っといてよね。』
｢おー｣
『こんど恵くんとお墓参りにもちゃんと行くから…だから、安心してゆっくり休んでね』
｢俺が居なくなった途端変なのに捕まんなよ｣
『捕まんないし！』
甚爾さんは、軽く微笑み、光の泡となり消えた。
と同時にぐわっと疲れが押し寄せてきてそのまま眠るように倒れてしまった。
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七巳流 - 答えられないのだが、パスワード教えてくれ。 (2022年7月16日 12時) (
レス) @page33 id: 5347ef430e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 完結おめでとうございます。素敵な小説でした。次の作品「10譛?1譌･19譎よｸ玖ｰｷ-繝上Ο繧ｦ繧｣繝ｳ」のパスワードを教えてください。 (2021年7月14日 7時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 完結の後話も甚爾さんと夢主さん絡みの事なのでしょか？ 見れないですもっともっと出来れば二人の事見ていたいです (2021年7月13日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 悲しい所もあるけど甚爾さん達の所もっともっと続きが見たい甚爾さんと五条さん絡みも (2021年4月29日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
杜若(プロフ) - マリアさん» コメントありがとうございます！甚爾さんの話書きたすぎてこじれた結果がこの作品です……のんびりゆっくり更新しますので気長に待ってもらえれば嬉しいです…… (2021年4月4日 12時) (レス) id: 06c98d5373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若 | 作成日時：2021年4月3日 9時
