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「今日は泊まっていかないの?」
『ごめんね、また明日来るからね』
恵くんと津美紀ちゃんにバイバイと手を振り別れる。
今は五条と二人で高専へと帰っている途中。特に話すこともないのでただ並んで帰っているだけ。そう思っていたんだけれど、五条が話しかけてきた。
「お前、初恋とかあんだな、傑とか?」
『……プハ、なに急に?
それに初恋が夏油だったら私着いてってるわよ。置いていかれたくないって』
「……ふーん」
『私の初恋は、甚爾さんだよ。
初めて禪院行った時に一目惚れした。
……親戚の大人の人はカッコよく見えるアレだよ』
「アレって言われてもわかんねーわ。」
『てか、口調バグってるの気になんだけど』
聞きなれた口調になったりさっきみたいに丸くなったようになったりとと言うと口元をおさえる五条。
無意識だったんだろうか、別に私はどちらでも構わないんだけれど。
「お前と話すの久しぶりだから、なんか変」
『何それ』
「そ、そんな事より聞かせろよ
アイツの事を好きになるなんて気になんだろ」
『別にいいけど』
でも、初恋の時の話なんて、少し恥ずかしいし、何より甚爾さんが居るから。
私はコホンとひとつ咳をし、話し始める。
__________________
初めて禪院の家に来た時、敷地内を自由に散歩していたら、偶然出会った。いや、今考えれば甚爾さんの反応からして偶然では無いのだろう。
「お前が園谷の娘か」
『お兄ちゃんだれ?』
「俺か?…まぁ、俺のことは知らねー方が身のためだ。」
『……やだ!教えて』
「……やだって…はぁ、俺は禪院甚爾だ。
呪力が無い猿だ」
呪力が無いから猿って言うのはよく分からなかったけれど、家からあまり良くない待遇を受けているのは、甚爾さんの顔にある傷で分かった。
『甚爾さんね!私園谷A、よろしく!』
「……物好きなガキだな。
いいか、周りには俺に会ったこと秘密にするんだぞ」
『なんでー?』
「いいから」
『うん、分かった!』
ガシガシと少し荒く頭を撫でられた。
家族にもされたことの無い行動に思わず固まる、別に嫌でも無かったしむしろもっとして欲しいくらいだ。
『えへへ、またね、甚爾さん!』
「おー…」
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七巳流 - 答えられないのだが、パスワード教えてくれ。 (2022年7月16日 12時) (レス) @page33 id: 5347ef430e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 完結おめでとうございます。素敵な小説でした。次の作品「10譛?1譌・19譎よク玖ーキ-繝上Ο繧ヲ繧」繝ウ」のパスワードを教えてください。 (2021年7月14日 7時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 完結の後話も甚爾さんと夢主さん絡みの事なのでしょか? 見れないですもっともっと出来れば二人の事見ていたいです (2021年7月13日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 悲しい所もあるけど甚爾さん達の所もっともっと続きが見たい甚爾さんと五条さん絡みも (2021年4月29日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
杜若(プロフ) - マリアさん» コメントありがとうございます!甚爾さんの話書きたすぎてこじれた結果がこの作品です……のんびりゆっくり更新しますので気長に待ってもらえれば嬉しいです…… (2021年4月4日 12時) (レス) id: 06c98d5373 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杜若 | 作成日時:2021年4月3日 9時